icon-anchor 2008年製造物責任法

2008220日付官報公布)

和訳:原田いそよ、監修:元田時男

(前文省略)

 

第1条  本法を、「2008年製造物責任法」と呼ぶ。

第2条 本法は、官報告示の日から1年の期限を経た後、施行する。

第3条  特別に製造物責任に関する条項を有す法律があり、本法より厚く被害者を保護している場合、その法律を適用する。

第4条 本法において、
「商品」とは、販売目的で加工または輸入された全種類の動産を指し、農作物及び電流を含む。ただし、省令で定める商品を除く。
「農作物」とは、稲作、畑作、果樹栽培、畜産、水棲動物の養殖、養蚕、ラックカイラガ虫の飼育、きのこ栽培等の農業生産物を指す。ただし、天然作物は含まない。
「加工」とは、製造する、混合する、配合する、調合する、組み立てる、創造する、変質させる、成形する、改良する、選定する、分封する、冷凍する、又は放射線を照射することを指し、さらに、同様の性質を有するいかなる行為も含む。
「被害者」とは、欠陥品により損害を被った者を指す。
「損害」とは、欠陥品により発生した損害を指し、生命、身体、健康、衛生、精神または財産に対する損害であるか否かを問わない。ただし、当該欠陥品に対する損害は含まない。
「精神に対する損害」とは、痛み、苦しみ、恐怖、心配、悲しみ、羞恥、または同様の性質を有するその他の精神に対する損害を指す。
「欠陥品」とは、損害を生じさせる、または生じさせ得る商品を指し、原因が、製造もしくは設計の欠陥によるものであるか、または使用法、保管法、注意書きまたは商品に関する情報を定めていないことであるか、または定めてあるが正確でない、または適切な明確さを有さないことであるかを問わない。ただし、商品の状態及び商品の通常予見される使用及び保管の形態を考慮する。
「販売」とは、売却する、支給する、配布する、または商用目的で交換することを指す。また、賃貸する、割賦販売する、調達する、提案する、勧誘する、またはそれらの目的で展示することをも含める。
「輸入」とは、販売目的で王国内に商品を持ち込むまたは発注することを指す。
「事業者」とは、以下を指す。
1)製造者、または製造発注者
2)輸入者
3)商品の製造者、製造発注者、または輸入者を明示できない販売者
4)製造者、製造発注者、または輸入者の氏名、商号、商標、記号、文章を用いた者、またはそれらの者であると理解され得る性質を有する何らかの方法で表示した者。

第5条            事業者は、消費者に販売された欠陥品から生じた損害について、被害者に対し、その損害が事業者の故意により、または過失により発生したか否かを問わず、全員で連帯責任を負わなければならない。

第6条            5条に基づき、事業者に責任を負わせるため、被害者、または第10条に基づく訴訟代理人は、被害者が事業者の商品により損害を受け、当該商品の使用または保管は通常の通りであったことを証明しなければならない。ただし、いずれの事業者の行為により生じた損害であるかを証明する必要はない。

第7条            事業者は以下を証明できる場合、欠陥品から生じた損害に対する責任を負う必要はない。
1)当該商品は欠陥品ではない。
2)被害者は、当該商品が欠陥品であることを承知していた。
3)当該被害は、事業者が正確に、適切な明確さを有する様定めた使用法、保管法、注意書きまたは商品に関する情報に従わない商品の使用または保管により生じた。

第8条            製造発注者の発注に基づく製造者は、商品の欠陥が製造発注者の設計により生じたこと、または製造発注者の指示に基づく履行により生じたこと、及び製造者は欠陥について予見しなかった、もしくは予見し得なかったことを証明できる場合、責任を負う必要はない。
商品の部品製造者は、商品の欠陥が、当該商品製造者の設計、組立、または使用法、保管法、注意書きの規定、商品に関する情報の提供により生じたことを証明できる場合、責任を負う必要はない。

第9条            事業者の製造物責任を免責または制限する目的の、損害が生じる前に交わされた消費者と事業者の間の同意書、及び告知または通知書により、責任を免責、または制限する抗弁を行なうことはできない。
本条の利益のため、消費者は消費者保護法の「消費者」の定義と同一であるとする。

第10条        消費者保護委員会、消費者保護法に基づき消費者保護委員会が認定した協会及び財団は、被害者に代わり損害賠償請求訴訟を提起する権利を有する。同法の訴訟及び代理訴訟に関する条項を準用する。
1項の訴訟及び代理訴訟は、全訴訟手数料を免除する。ただし、最終訴訟手数料における責任はこの限りでない。

第11条        民商法典に定めのある賠償金以外に、裁判所は下記の原則に基づく賠償金を定める権限を有する。
1)被害者の身体、健康、または衛生に対する損害に起因する精神上の損害に対する損害金。被害者が死亡した場合、当該人物の夫、妻、直系尊属、または直系卑属は、精神上の損害に対する損害金を受領する権利を有する。
2)事業者が当該商品が欠陥品であることを知りながら、商品を製造、輸入、または販売した、もしくは重大な過失により知らなかった、または当該商品を製造、輸入、販売した後に欠陥商品であることを知った際、損害を生じさせないために適切な何らかの行動を取らなかった、という事実関係が明らかになった場合、裁判所に、事業者に対し、裁判所が適切と判断するところに従い定める実際の賠償金に加え、追加懲罰として賠償金の支払いを命ずる権限を付与する。ただし、実際の賠償額の2倍を超えないものとする。ここで、以下の各状況を考慮するものとする。被害者が受けた被害の規模、事業者の商品の欠陥を認知していた度合い、事業者が商品の欠陥を隠蔽していた期間、当該商品が欠陥品であると知った際の事業者の対応、事業者が得た利益、事業者の財政状態、発生した損害を軽減させた被害者の行為、及び被害者が被害の発生に加担していた状況。

第12条        本法に基づく欠陥品により生じた損害賠償請求権は、被害者が損害及び責任を負わなければならない事業者を知った日か3年間、または、当該商品が販売された日から10年間が経過したときは、時効によって消滅する。
被害者の体内に蓄積した物質により生命、身体、健康または衛生に被害が生じた場合、または症状が現れるまで時間を要する場合、被害者または第10に基づく訴訟代理人は、損害及び責任を負わなければならない事業者を知った日から3年以内に請求権を行使しなければならない。ただし、損害を知った日から10年が経過してはならない。

第13条        事業者と被害者または第10条に基づく訴訟代理人の間で損害金額に関する交渉がある場合、どちらか一方が交渉の終了を通告するまで、当該期間における時効は中断されるものとする。

第14条        本法の条項は、他の法律に基づく権利により損害請求を行なおうとする被害者の権利を侵害するものではない。

第15条        本法の施行前に消費者に販売されたいかなる商品も、本法の適用外となる。

第16条        内閣総理大臣を本法の執行者に任命し、本法に基づく履行の為に省令を発行する権利を付与する。

当該省令は、官報への告示をもって施行される。

error: Content is protected !!