icon-anchor 1990年社会保険法

1990年社会保険法

(1994年、1999年、2015年、2017年改正)
2017年11月30日更新)翻訳:元田時男

前文省略

第1条 本法は、「1990年社会保険法」と称する。

第2条 本法は、官報で公布された翌日から施行する。ただし、第2章第2節に定められた条項は本法が施行されてから180日を経過したとき、また第40条はこの法葎の施行から4年以内に施行する。

第3条 1954年社会保険法を廃止する。
② 本法の定めに矛盾もしくは抵触するすべての法律、令、規則については本法を適用する。 

第4条 本法は次ぎに掲げる者には適用しない。
(1)中央行政機関、地方行政機関および地方自治体の公務員、労働者、
(2)学校、病院、専門学校もしくは大学の労働者である生徒、看護生、学生
(3)外国政府もしくは国際機関の労働者
(4)勅令で定める他の事業または労働者。

第5条 本法において
「労働者」とは、賃金を受け、使用者のために働く者をいう。
「使用者」とは賃金を支払い、労働者を雇用し就労させる者をいい、使用者の代理として働くことを委任された者を含む。使用者が法人の場合は、その法人を代表する権限のある者、および、その者から委任を受けた者をいう。
「貸金」とは、期間あるいは出来高計算にかかわらず、使用者が労働者に通常の勤務日または勤務時間の労働の対価として支払うすべての種類の金銭をいい、労働者が労働しない休日および休暇の日に使用者が支払う金銭も含むものとする。規定、計算方法、支給方法、名称を問わない。
「勤務日」とは、労働者が通常働くことを定められている日をいう。
「被保険者」とは、保険料を納付し、本法に従い給付を受ける権利を有する者をいう。
「出産」とは、生死にかかわらず、少なくとも28週間以上の妊娠期間を経て母親から子が生まれることをいう。
「障害」とは、身体の器官の喪失、あるいはその器官または身体の機能の喪失、もしくは通常の精神状態の喪失により労働することができないことをいい、医療委員会の勧告により事務局長が定める基準によるものとする。
「失業」とは、雇用契約に基づく使用者と労働者との間の法律上の関係が終結したため被保険者が休業しなければならないことをいう。
「大災害」とは、火災、大風、水害もしくはその他の災害をいい、人災、自然災害を問わず、官民の人命、健康、財産に損害を与えるものをいう。
「基金」とは、社会保険基金をいう。
「事務局」とは、社会保険事務局をいう。
「委員会」とは、社会保険委員会をいう。
「委員」とは、社会保険委員をいう。        
「担当官」とは、本法を執行するため大臣によって任命された者をいう。
「局長」とは、社会保険事務局の局長をいう。
「大臣」とは、本法の施行を所管する大臣をいう。

第6条 保険料算出の基礎は月当たりで計算した賃金とする。
② 月給制でない者の賃金は月給として計算、労働者が当該月に実際に受給する金額を当該月の賃金とする。
③ 被保険者の保険料納付の期間を計算するに当たり、当該月に支給された賃金から控除した保険料を、当該月の保険料とする。また、当該保険料が月に何回納付、控除されても、保険料納付の期間としては1ヶ月とみなす。

第7条 内務大臣を本法の施行を所管する大臣とし、担当官の任命権限および本法別表の料率を超えない範囲で手数料を定め、手数料免除、その他関連業務の執行に関する省令を公布する権限を与える。
② 省令は官報により公布されたとき施行される。
                

第1章 総則

第1節 社会保険委員会

第8条 「社会保険委員会」と称する委員会を設置する。この委員会は、労働省次官を委員長とし、財務省代表、社会発展・国民安寧省代表、内務省代表、保健省代表および予算局代表、大臣によって任命された使用者代表および被保険者代表それぞれ7名ずつを委員とする。
② 局長は委員とし、事務局長とする。
③ 第1項の使用者代表および被保険者の代表は両者の実際の関連、男女の比率、障害者等の状況を考慮して、選挙により選出するが、その基準、手続きは大臣が定める規則によるものとする。
④ 委員会は事務局の中の職員から事務局長補佐を選任することができる。

第8/1条 委員会は7名を超えない範囲で金融、財務、社会保険、投資、管理職、医療、法律、経済に⒑年以上の経験を有する学識経験者から委員会の顧問を選任することができる。
② 第1項の学識経験者の選定の基準、手続きは、委員会の意見により大臣が定める規則に従うものとする。

第8/2条 第8条で大臣が選任する委員および第8/1条で委員会が選任する顧問は以下の資格を有する者でなければならない。
(1)タイ国籍を有する者
(2)精神障害者でないこと
(3)成年被後見人または成年被保佐人でないこと
(4)破産者でないこと、または不正行為による破産者になったことがないこと
(5)最終判決で禁固刑を受けたことがないこと。ただし不注意、軽犯罪によるものを除く
(6)異常に財産を有し、または異常に財産を増やし、裁判所の判決もしくは命令により財産が国庫のものとなったことがないこと
(7)職務上不正を働き、政府機関もしくは民間機関から解雇、罷免されたことがないこと
(8)直接、間接に事務局の契約相手であり、または事務局の事業に関し利害関係者でないこと
(9)政治職、地方自治体の議員、管理職、政党の委員、顧問、職員でないこと、またはあったことがないこと。ただし、離職後3年以上経過している者を除く。

第8/3条 大臣が任命する委員は、憲法による不正防止法の高級公務員とみなされ、国家不正防止委員会に対して資産、負債の勘定を提出し、同時に30日以内に公表しなければならない。

第9条 委員会は次ぎに掲げる権限および義務を有する。
(1)本法に基づき、社会保険に関する政策および基準について大臣に具申すること。
(2)本法の施行のための勅令、省令または他の規則の公布に関して審議を行い、大臣に具申すること。
(3)財務省の承認を得て、金銭の収受、支出および基金の管理について規則を定めること。
(4)財務省の承認を得て、基金の運用について規則を定めること。
(5)本法に基づき、社会保険について、事務局の各年度貸借対照表、基金の収支報告および活動報告を審議すること。
(6)委員または事務局の相談に応じ助言を与えること。
(7)本法またはその他の法律が委員会の権限、義務として定めた業務、もしくは大臣によって委任された業務を執行すること。
② 第1項の義務の執行に当たって、委員会は議題を事務局に提案させ、執行させることができる。

第10条 第8条に基づき大臣が任命する委員および第8/1条に基づき委員会が選任する顧問の任期は1期2年とする。
② 任期を経えた委員および顧問は再任を妨げないが、継続して2期を超えて再任することはできない。

第11条 第10条の任期満了による退任のほか、委員および顧問は次ぎに掲げる場合、退任する。
(1)死 亡                          .
(2)辞 任
(3)任務に耐えられない、能力の不足等により委員会が定めた規則により在任中委員の過半数の決議により罷免したとき         ・
(4)第8/2条に基づく資格を失ったか失格事由に該当するとき
② 大臣が任命した委員または顧問が任期の満了以前に退任した場合、大臣もしくは委員会は第8条もしくは第8/1条に基づく同様の資格者を後任者として任命しなければならない。新たに任命された委員の任期は、退任した委員の残りの任期とする。
③ 委員会が任命した顧問の任期期間中に、新たに顧問を追加任命する場合、追加任命された顧問の任期は、すでに任命を受けている委員の残りの任期とする。

第12条 大臣によって任命された委員の任期が満了、新しい委員の任命が終了していない場合、新たな委員が任命されるまで、任期の満了した従来の委員がその職務を執行しなければならない。

第13条 委員会の会議は、全委員数の半数以上の出席をもって定足数とする。
② 議長が出席できない場合、あるいは議長の職務を遂行できない場合は、出席した委員の中からその会議の議長を互選する。
③ 会議の決議は多数決とする。1人の委員は1票の議決権を持つ。賛否同数の場合は、議長が追加の1票を決定票として持つ。
    
第14条 医療委員会を設置する。この委員会は、大臣が任命する委員長と委員で、合計16名を超えないものとする。
② 事務局代表を委員および秘書長とする。
③ 第1項の委員長、および委員は、医学各科の専門の資格を有する者または厚生事業、医療機関の品質向上の専門家から任命される。また、使用者代表被保険者代表をそれぞれ1名選任する。任期は2年とする。
③ 第8/1条条第2項、第8/2条、第10条第2項、第11条、第12条および第13条の規定を準用する。

第15条 医療委員会は次ぎに掲げる権限を有する。
(1)医療の提供について委員会に具申をすること。
(2)第59条、第63条、第66条、第68条、70条、第71条および第72条の規定に基づく被保険者が受ける医療についての基準、率および期間を定めること。
(3)第64条に基づく省令の公布について委員会に具申すること。
(4)医療について、委員会、不服審査委員会および事務局に対して助言と勧告を行うこと。
(5)本法の規定あるいは大臣若しくは委員会の委任により、医療委員会の権限と定められたその他の業務を行うこと。

第16条 委員会および医療委員会は、小委員会を設置し、委員会および医療委員会の委任に基づく事項について審議し、遂行することができる。
② 小委員会の会議については、第13条の規定を準用する。

第17条 委員会、医療委員会および小委員会は、関係者に対して審議に必要な書類あるいは資料を提出するよう命令することができる。これについて関係者を召喚し説明を求めることができる。

第18条 委員、顧問、医療委員、不服審査委員および小委員は、本法に基づく職務の執行に際し、財務省の承認を得て大臣が定める基準に従い、会議費、交通費、日当、宿泊費およびその他の経費を受け取ることができる。

第2節 社会保険事務局

第19条 内務省内に社会保険事務局を設置し、事務局は以下の権限を有する。
(1)本法に基づく委員会、その他の委員会および小委員会の事務を執行すること。
(2)社会保険に関する情報を収集、編成および分析すること。
(3)保険料納付義務のある使用者および被保険者を登録すること。
(4)本法および他の法律によって事務局の権限として定められた事項を執行すること。
(5)大臣、委員会、その他の委員会および小委員会によって委譲されたその他の事項を執行すること。

第20条 局長は事務局内の公務のすべてを管理する権限を有し、事務局内の公務員の責任者とする。そのため、命令および事務の遂行の補佐として1名または複数の局次長を任命することができる。
② 局長および事務局次長は一般文官とする。              

第3節 社会保険基金

第21条 第3章に定められた被保険者への給付および第24条第2項に基づく経費を支出するため、社会保険事務局内に社会保険基金と称する基金を設置する。

第22条 基金は次ぎに掲げる資金により運営される。
(1)第40条、第46条に基づく政府、使用者および被保険者からの保険料
(2)第39条、第49条および第53条に基づく追徴金
(3)第26条に基づく基金の運用益
(4)第45条に基づく手数料     .
(5)寄付または補助金
(6)第47条、第47の2条、第50条、第53条および第56条に基づき基金に加えられた金銭
(7)第24条第3項に基づく政府の補助金または立替え金
(8)第102条に基づく罰金
(9)その他の収入

第23条 第22条の基金は事務局が管轄し、国家の歳入として財務省に納入しなくてもよい。

第24条 基金は本法に基づく保険の給付として支出される。
② 委員会は毎年、保険料の10パーセントを越えない範囲で、第18条に基づく支出および事務局の運営費用に基金の一部を割り当てることができる。
③ 第1項および第2項の支出に対して基金が不足する場合、必要に応じて政府が補助金または立替え金を支出するものとする。

第24/1条 基金は基金に適合し、会計基準に従った帳簿を備え、収入、支出、資産および負債を正確に記帳しなければならない。また、大臣が検査委員会を任命し、定期的に検査し透明性を保たなければならない。
② 検査委員会の設立基準、手続き、構成、権限は、委員会の意見により大臣が定める規則によるものとする。なお、第10条、第11条、第12条および第18条の規定を準用する。

第25条 金銭の収受、支払いおよび基金の保管は、財務省の承認を得て委員会が定めた規則に従わなければならない。

第26条 基金の運用は、財務省の承認を得て委員会が定めた規則に従わなければならない

第27条 委員会は、国家会計監査院の監査を受け承認された前年の貸借対照表および収支報告書を歴年度の末日から6カ月以内に大臣に提出しなければならない。
② 大臣は上記の貸借対照表および収支報告書を、国会において報告するために総理大臣に提出するとともに、官報で公告しなければならない。

第27/1条 事務局は基金の収支、将来性を示して基金の現状を毎年委員会へ報告するとともに一般に公表しなければならない。

第4節 社会保険の調査

第28条 本法に基づく社会保険に利するため、労働に関する問題と情報を調査するための勅令を公布することができる。
② 第1項の勅令には少なくとも次ぎに掲げる事項を含まなければならない。
(1)調査の目的
(2)調査を行う担当官または担当者
(3)2年を超えない勅令の有効期間

第29条 第28条に定める勅令が公布された場合、局長は次ぎに掲げる告示をしなければならない。
(1)調査票
(2)担当官または担当者が使用者に調査票を送付する期間
(3)使用者が調査票に必要事項を記載し、担当官または担当者に提出するまでの期間。この期間は30日以上で、調査票に明記しなければならない。
② 本条に定める告示は官報で公布する。

第30条 第29条(1)の調査票は、書留郵便で使用者に送付するか、あるいは担当官または担当者が、日の出から日没までの間、または使用者の勤務時間内に、使用者の居住地、住所または事務所に持参するものとする。居住地、住所または事務所において使用者に会えない場合は、そこに居るか、あるいは事務所で働いている成年者に届けることもできる。
② 第1項に定める方法で送付することができない場合は、調査票を使用者の事務所の見易いところに掲示し、15日を経過したとき、使用者はその調査票を受領したものとみなす。

第31条 使用者が調査票を受領したとき、使用者は事実に従いすべての項目を記載した後、第29条(3)に定める期限内に記載した調査票を担当官または担当者に提出しなければならない。

第32条 調査票に記載されたすべての内容および数字は秘密とし、本法に基づき職務を執行する者は、本法に基づき職務を執行する義務のない者に、その内容および数字を公開してはならない。ただし、社会保険のため、または労働者保護のため、または調査、審議のために必要である場合を除く。

第2章 社会保険

第1節 被保険者

第33条 満15歳以上および満60歳以下の労働者を被保険者とする。
② 第1項による被保険者が、満60歳に達し、かつ、本法に定める使用者の労働者であるとき、当該者はその後も被保険者とする。

第34条 第33条に定める被保険者である労働者を有する使用者は、局長が定める様式に従う申告書に被保険者の氏名、賃金率およびその他の事項を記入し、当該労働者が被保険者になった日から30日以内に事務局へ提出しなければならない。

第35条 事業者が他の者に労働者を集めさせ、事業の遂行および監督を請け負わせ、かつ、その労働者に対する貸金の支払いについても責任を持たせた場合、または労働者の斡旋を業としない者に、事業遂行場所において製造あるいは事業の過程の一部としての仕事をさせる、仕事の遂行に必要となる当該事業者の用意した主要な機械を使用させるために労働者を集めることを請け負わせた場合、当該事業者は、本法に従い義務を履行しなければならない使用者であるものとする。
② 第1項により労働賃金の請負を行う者が、第34条に基づく使用者として申告書を事務局へ提出する場合、当該請負者は、使用者と同様に本法に従わなければならない。その場合、当該事業者は保険料納付、追徴金納付の責任はない。

第36条 使用者が第34条に基づく申告書を提出した場合、事務局は、省令で定める基準と手続きに従い、社会保険登録証を使用者に発行し、社会保険証を労働者に発行しなければならない。

第37条 使用者が第34条に基づく申告書を提出していなかったか、あるいは提出していたが申告書に第33条に定める被保険者である労働者の氏名が欠落していたことが事務局、あるいは労働者の申立により明らかになった場合、事務局は関係証拠書類に基づいて第34条の申告書に詳細を記載する権限を有する。および、または、第36条による労働者に対して社会保健証を発給するものとする。
② 第1項の執行にあたり、局長または局長から委任された者が事前に調査することができる。

第38条 第33条に基づき被保険者となった者は、次ぎに掲げる事項に該当する場合、被保険者の資格を喪失する。
(1)死亡
(2)労働者でなくなったとき
②(2)により労働者でなくなった被保険者が、第3章の定めに従い保険料を納付していた場合、労働者でなくなった日から6ヶ月間、または、勅令で定める期間で12ヶ月を超えない期間、第2節、第3節、第4節および第5節に定める権利を有する。

第39条 第33条により被保険者であった者は、12ヶ月以上保険料を納付し、その後、第38条(2)により被保険者でなくなった場合、当該者が引き続き被保険者であることを希望したとき、被保険者でなくなった日から6ヶ月以内に、局長が定める規則に従い、事務局へ希望を申し出なければならない。
② 第46条第2項に従い基金に納付する、第1項の被保険者の保険料を定める基準は、そのときの経済情勢を勘案して、省令で定める。
③ 第1項の被保険者は毎月1回、翌月の15日までに保険料を納付しなければならない。
④ 1項の被保険者が、保険料を納付しない場合、または、第3項で定める期限内に全額納付しない場合、未納分について、納付期限の翌日から月当たり2パーセントの割合で追加納付しなければならない。15日を経過した場合1月として計算し、15日に満たない場合は切り捨てる。

第40条 第33条に基づく労働者でない者も、事務局に希望を申し出ることより本法に基づく被保険者となることができる。 
② 保険料支払いの原則および料率、第54条に基づき受けられる給付の種類、給付受給資格の原則および条件については勅令によって定めるものとする。
③ 政府は省令で定める率により基金に対して保険料を納付しなければならない。ただし、第1項で定める被保険者のから受領する金額の半額を超えないものとする。

第41条 第39条に基づく被保汲者は、次ぎに掲げる各項に該当する場合、被保険者でなくなるものとする。
(1)死亡
(2)第33条に基づく被保険者に戻った場合
(3)被保険者を辞めることを事務局に対して申し出た場合
(4)連続して3ヶ月保険料を納付しないとき
(5)12ヶ月の間に9ヶ月保険料を完全に納付しない場合
②(4)に基づき被保険者でなくなる場合、保険料を納付しなかった最初の月から被保険者でなくなる。また、(5)に基づき被保険者でなくなる場合、9ヶ月間完全に納付しなかった月から被保険者でなくなる。
③(3)、(4)および(5)により被保険者でなくなった者が、第3章の定めにより権利を発生させる期限内に保険料を納付した場合、被保険者でなくなった日から6ヶ月間、第2節、第3節、第4節および第5節の定めによる権利を獲得する。

第42条 被保険者が、第3章に基づき給付の権利を得るため、第33条、または39条による保険期間を計算するとき、各期間を合算する。

第43条 本法に従う事業は、その後、労働者の人数が規定の人数を下回った場合でも、事業を終了するまで、本法の規定に従わなければならない。当該事業が新しく労働者を雇用した場合、当該労働者は、労働者の人数が本法で規定する人数を下回っていた場合でも、本法の定めによる被保険者となる。

第44条 事務局に提出した報告書内の事実に変更があった場合、報告書を変更するため、使用者は、変更が生じた月の翌月の15日までに局長が定める規則に従い事務局に対して文書で報告しなければならない。
② 使用者が本条の規定に従わなかった場合、第37条の規定を準用する。

第45条 社会保険登録証、保険証の重要部分を紛失、毀損したとき、使用者または被保険者は、事故を知った日から15日以内に事務局に対して再発行の申請をしなければならない。その規則は局長が定める。

第2節 保険料

第46条 政府、使用者および第33条に基づく被保険者は、傷害、疾病、障害、死亡、出産の給付を受けるため、省令に定める比率に従いそれぞれ同額の保険料を基金に納入するものとする。その料率は本法の別表に定める保険料率を越えないものとする。
② 政府、使用者および第33条に基づく被保険者は、子女扶養、老齢および失業給付を受けるため、省令に定める比率に従い、保険料を基金に納付しなければならない。その料率は本法の別表に定める保険料率を超えないものとする。
③ 第39条の定めによる保険料は、第1項、第2項によりそれぞれが納付する保険料について、政府が1、被保険者が2の割合で納付するものとする。
④ 第1項、第2項の保険料率の決定に際しては、給付額および第24条に基づく事務局の運営費用を勘案して定めるものとする。
⑤ 第33条に基づく被保険者の保険料算出の基礎となる最低、最高資金は、省令で定める。50サタン以上の端数は1バーツとし、50サタンに満たない場合は切り捨てる。被保険者が複数の使用者のために働いている場合、各使用者から得る賃金から保険料を計算しなければならない。

第46/1条 大災害が発生し、経済に影響があった地方においては、大臣は閣議の了承を得て使用者および労働者が負担する保険料の引き下げについて基準、手続き、および条件を告示することができる。
② 第1項の告示は、経済への影響、基金の安定性を考慮に入れ、1回につき6か月以下の引き下げとしなければならない。

第47条 資金を支払う度に、使用者は被保険者の貸金から、第46条に基づき被保険者の保険料として納入すべき金額を控除しなければならない。また、使用者が以上の手続きをしたとき、被保険者は控除された日から保険料の納入をしたものとみなされる。
② 使用者は第1項に従い控除した被保険者の保険料および使用者の拠出すべき保険料を控除された月の翌月の15日までに、局長の定めた様式に基づく保険料納付書とともに、事務局に納付しなければならない。
③ 使用者が、賃金を期限内に支払わないとき、使用者は賃金を支払ったものとして、第2項に定めに従って保険料を納付しなければならない。
④ 使用者が被保険者の保険料、または使用者の拠出金を必要な金額より多く納付したとき、使用者または被保険者は超過分の返還申請を局長の定める規則によって行わなければならない。使用者または被保険者が、納付の日から1年以内に請求しないとき、または、還付通知から1年以内に受領のため出頭しないとき、超過分は基金の財産となる。

第47の2条 使用者が、第47条第2項で定める期限内に保険料を納付しないとき、担当官は、使用者に対して、文書により、文書受領の日から30日以上の期限を定めて保険料および追徴金を納付するよう警告しなければならない。使用者が、警告書を受領したにもかかわらず、保険料および追徴金を期限内に納付しないとき、担当官は、次ぎのように、保険料を査定し、文書により、納付させなければならない。
(1)使用者が過去に納付した実績がある場合、使用者がその後、各月に納付する義務がある金額は、最終的に納付した月の納付額全額と同額とする。
(2)本法による義務を有する使用者が、第34条による申告をしていないとき、または、第34条による申告をしたが、保険料を納付したことがないか、または、実際の労働者の数より少ない数、および名簿により、第34条による申告をしている場合、使用者が提出している申告書により、または、担当官が調査した労働者の数により保険料を査定しなければならない。その場合、労働者は、過去に申告された率により月当たり賃金を支払われているものとみなす。ただし、申告書を提出していないか、または完全な申告書を提出していない場合、労働者は、その時点における、当該地方の最低賃金より少なくない日給掛ける30の月額賃金の支払いを受けたものとみなす。
② 第1項による保険料査定の通知が行なわれた日から2年以内に、使用者が納付すべき金額が、(1)または(2)に基づく担当官の査定より多いか、少なかったことが証明された場合、事務局は、証明の結果を文書により、証明された日から30日以内に、使用者へ通知し、使用者は、通知を受領した日から30日以内に追徴金を納付するか、事務局に対して還付の申請をしなければならない。使用者が証明の結果の通知を受けた日から1年以内に還付を受けるため出頭しないとき、その金額は基金のものとする。
③ 警告書の送付、査定保険料の通知および証明の通知には第30条を準用する。

第48条 被保険者が、複数の使用者のために働いている場合、各使用者は第46条および第47条に従わなければならない。

第49条 使用者が自身または労働者の保険料を納付しないか、または、第47条に定める期限内に完全に納付しない場合、使用者が納付していない保険料、または、不足分について、納付期限の日の翌日から、月当たり2パーセントの追徴金を納付しなければならない。その場合、追徴金の計算に当たっては使用者が納付しなければならない保険料を超えないものとする。
② 使用者が47条第1項に基づき、労働者の賃金から控除しないか、または完全に控除しない場合、使用者は、被保険者の保険料を完納する責任を負わなければならない。また、第1項に基づき、納付期限の日の翌日から追徴金を納付しなければならない。その場合、被保険者の権利は、納付した場合と同様とする。

第50条 局長は、第49条に基づく保険料または追徴金を納付しないか、完納しない場合、当該金額について、文書により、使用者の財産を差し押さえ、競売する命令を出すことができる。
② 第1項による財産の差し押さえ、競売の命令は、使用者が、保険料または追徴金を納付するよう警告書を受領した日から30日以上の期限内に保険料または追徴金を納付しない場合に実行することができる。
③ 第1項の差し押さえ、競売の基準、手続きは大臣が定めるが、民事訴訟法の基準と手続きを準用する。
④ 競売による収入は、差し押さえ、競売の費用、保険料、追徴金を差し引き、残余がある場合、速やかに使用者へ返還する。使用者が5年以内に請求しないとき、基金のものとなる。

第51条 事務局の保険料および追徴金に対する債権は、使用者の全財産について、民商法典に基づく租税と同順位の先取特権を有する。

第52条 使用者が下請人である場合、本法による保険料の納付について、段階毎に最初の請負人まで、共同して責任を負うものとする。

第53条 第52条により、期限内に保険料を納付しない下請人に対して、第49条、第50条および第51条を準用する。

第3章 保険給付

第1節 総則

第54条 被保険者または本法により権利のある個人は以下の保険給付を基金から受ける権利を有する。
(1)傷害、疾病給付、健康増進および病気予防のためのものを含む
(2)出産給付
(3)障害給付
(4)死亡給付
(5)子女扶養給付
(6)老齢給付
(7)失業給付、第39条による被保険者を除く。
② 第1項の権利は譲渡できない。また強制執行の対象とならない。

第54/1条 本法に基づく権利、受益は他の法律によっても侵害されることはない。

第55条 使用者が、本法施行前に、第33条による被保険者である労働者で、本法施行前に就業した労働者に対して、業務上でない傷害、疾病、障害、死亡、または、出産、子女扶養、老齢、失業に対する厚生処置を有しており、その厚生処置が、本法による給付より高い率による給付を定めていた場合、当該使用者は、当該厚生処置を定めている就業規則、雇用契約または労使協定を委員会へ提出し、第46条により被保険者と使用者が加入し、納付しなければならない保険料率から、使用者が定めていた給付に対する保険料を引き下げるように申請することができる。その後、残余について納付しなければならない被保険者と使用者の保険料を算出して申請しなければならない。
② 第1項に定める保険料率引下げの申請と審査に関する基準、手続きおよび条件は委員会が定める。

第56条 被保険者その他の個人は、第54条により給付を受ける権利があると認め、給付を申請する場合、給付を受ける権利のある日から1年以内に事務局に対して、局長が定める手続きにより、給付申請をしなければならない。局長または局長から委任された者は速やかに審査するものとする。
② 第1項に定める期限を過ぎて給付申請書を提出する場合、遅れた理由を局長に対して説明しなければならない。局長が遅れた理由が正当と認めた場合、申請書を受理し審査するものとする。
③ 第1項による給付は現金により、被保険者または給付を受ける権利がある者が、事務局からの通知を受けた日から2年以内に受領のため出頭しないとき、その給付金は基金のものとなる。

第57条 第33条による被保険者に対する給与補償を給付するとき、1日当たりの賃金の計算は、使用者が納付する保険料算定の基礎とする一番高い賃金を15ヶ月遡り、最初の3ヶ月の賃金を90で割った金額とする。被保険者の賃金が3か月に満たない場合、平均日割りの賃金を日給とする。
② 第39条による被保険者に対する給与補償の給付に当たり、1日当たりの賃金を計算する場合、第39条第2項による保険料算定の基礎となる金額の平均をとって計算する。

第58条 本法による給付が医者による診療の場合、被保険者または配偶者は、第59条による医療機関において医療を受けなければならない。
② 被保険者または配偶者が医療を受ける際の詳細と条件は、局長が委員会の了承を得て定める規定に従わなければならない。

第59条 局長は、被保険者または配偶者が医療を受けることができる地域と医療機関の名称を官報により告示しなければならない。
② 被保険者または配偶者が医療を受けるとき、就労場所または居所が第1項の地域にある場合、その地域において医療を受けなければならない。ただし、当該地域に、第1項の医療機関がない場合、または、被保険者もしくは配偶者が当該医療機関で医療を受けることができない正当な理由がある場合、他の地域において、第1項の医療を受けることができる。
③ 被保険者もしくは配偶者が、第2項で定める医療機関以外で医療を受ける場合、被保険者は、当該医療機関へ支払わなければならない医療費の給付を受ける権利がある。その場合、事務局は給付額を、傷害、疾病、出産の程度、当該地域の経済情勢、および医療の程度を考慮にて決定しなければならない。ただし、医療委員会が、委員会の了承を得て定めた率を超えてはならない。

第60条 被保険者または配偶者が、医療機関で医療を受けたあと、正当な理由がなく医師の助言、命令に従わなかった場合、局長または局長から委任を受けた者は、医療委員会の了承を得て、給付額を減額することができる。

第61条 削除

第61/1条 被保険者が第64条および第71条により休業補償を受ける権利がある場合、または、第67条により出産休業補償を受ける権利がある場合、一つの種類についてのみ、委員長が定める様式で申請することにより休業補償または出産休業補償を受けることができる。

第2節 傷害または疾病給付

第62条 被保険者は、業務上の原因によらない傷害、または疾病給付を受けることができる。ただし、医療を受けた日から15ヶ月以前に3ヶ月以上保険料を納付していること。

第63条 業務上の原因によらない傷害、疾病の場合の給付は以下の通り。
(1)診断費
(2)健康促進および予防費
(3)治療費、能力回復費
(4)入院費、看護費
(5)薬価、医療器費
(6)救急車または送迎車費
(7)被保険者が医療処置を受けたことにより損害を受けたとき被保険者に対する救急費。事務局が救急費を支払った場合、事務局は責任者にまで遡って請求できる。
(8)その他必要経費
② 以上は、委員会の承認を得て医療委員会が定める基準と率によるものとする。
③ 医師の命令により医療のため休業しなければならない被保険者は、第64条に基づく基準により休業補償を受けることができる。

第64条 被保険者が、業務上の原因によらないで、傷害、疾病にかかり、医師の命令により1回につき90日を超えない期間、および、暦年で180日を超えない期間、医療のため休業しなければならないとき、第57条に基づく賃金の100分の50の率により休業補償を受けることができる。ただし、省令で定める慢性病の場合は、180日を超え、365日以下の休業補償を受けることができる。
② 休業補償を受ける期間は、医師の命令に基づき休業しなければならない最初の日から、医師が定めた休業の最終日まで、または、医師の命令により定められた期限前に職場に戻った場合、休業の最終日までとする。ただし、第1項に定める期間を超えないこと。
③ 被保険者が、労働者保護法、就業規則、雇用契約、労使協定により、医療のための休業について休業補償を使用者から受ける権利がある場合、賃金の支払いを受ける権利が終了するまで、第1項の補償を受ける権利はない。ただし、残りの期間については権利がある。また、使用者から支払いを受ける賃金が、基金から支払いを受ける金額より少ない場合、不足分については補償を受ける権利がある。

第3節 出産給付

第65条 被保険者は、自身または配偶者が出産するとき、出産給付を受けることができる。ただし、医師の医療を受ける前15ヶ月の期間内に5ヶ月以上、保険金を納付していなければならない。
② 被保険者に妻がないとき、局長の定めに基づき、公に夫婦として被保険者と同居している女性があるとき、被保険者は出産給付を受けることができる。

第66条 出産給付の内容は以下の通り。
(1)診察費
(2)診療費
(3)薬価および医療器具費
(4)分娩費
(5)入院費、看護費
(6)保育費
(7)救急車および送迎車費
(8)その他必要な医療費
② 以上は、委員会の承認を得て医療委員会が定める基準と率による。
③ 出産のため休業しなければならない被保険者は、第67条で定める基準により出産休業補償を受けることができる。

第67条 被保険者が出産のため休業するとき、被保険者は、出産休業補償を2回まで、1回につき第57条による賃金の100分の50を、90日分給付される権利を有する。

第68条 被保険者または配偶者が、第59条による医療機関で出産しないという理由で、第66条による給付を受けることができない場合、被保険者は、委員会の了承を得て医療委員会が定める基準と率により出産給付を受けることができる。

第4節 障害給付

第69条 被保険者は、業務上の理由によらず、障害者となった場合、障害給付を受ける権利を有する。ただし、障害者となる前の15ヶ月の期間、被保険者は3ヶ月以上保険料を納付していなければならない。

第70条 傷害給付の内容は以下の通り。
(1)診察費
(2)治療費
(3)薬価および医療器具費
(4)入院費、看護費
(5)救急車費および送迎車費
(6)身体、精神および職業上の能力回復費
(7)その他必要経費
② 以上は、委員会の承認を得て、医療委員会が定める基準と率による。

第71条 被保険者が、業務上の原因によらないで、障害者となった場合、休業補償を、委員会の了承により医療委員会が定める率と期間受取る権利がある。休業補償は第57条により賃金の100分の50を超えないものとする。
② 業務上の原因によらないで障害者となった被保険者の障害の度合いが、委員会の了承を得て医療委員会が定める基準に基づき大きい場合、第57条に基づく賃金の100分の50を休業補償として被保険者は一生受取る権利がある。

第72条 医療委員会が、被保険者の障害が第70条(6)の結果、回復したと判断した場合、事務局長または委任を受けた者は、障害による休業補償の減額を審査、命令しなければならない。その基準と手続きは委員会の承認を得て、医療委員会が定める。
② 第1項により休業補償を減額されたあと、障害の程度が悪化し、第1項による判断より悪化したと医療委員会が判断する場合、局長は、休業補償の金額を増額することができる。

第5節 死亡給付

第73条 被保険者が、業務上の原因による傷害、疾病でなく、死亡した場合、死亡の前6ヶ月の期間、被保険者が1ヶ月以上保険料を納付していれば、以下の通り死亡給付を受けることができる。
(1)省令で定める葬儀料。ただし、労働者保護法で定める1日当たり最低賃金の最高額の100倍を下回らない金額を以下の順序で給付する。
(a)被保険者が文書により葬儀の委員長と定め、かつ、被保険者の葬儀委員長を勤めた者。
(b)配偶者、両親、または葬儀委員長であることを示す証拠を有する、被保険者の子供。
(c)被保険者の葬儀委員長であることを示す証拠を有するその他の者。
(2)被保険者が死亡した場合、死亡給付金は、被保険者が文書で死亡給付金を受け取る権利があると定めていた者へ支給される。ただし、被保険者が、文書で定めていない場合、配偶者、両親、または被保険者の子供へ以下の通り平均して同額が支給される。
(a)死亡の前、被保険者が36ヶ月以上、ただし、120か月に満たない期間、保険料を納付していた場合、第57条に基づく計算による月額賃金の100分の50の4倍に等しい金額の死亡給付金を支払う。
(b)死亡の前、被保険者が120か月以上保険料を納付していた場合、第57条に基づく計算による月額賃金の100分の50の12倍に等しい金額の死亡給付金を支払う。

第73/1条 第71条に基づく障害者になった被保険者が死亡した場合、第73条の規定を準用する。その場合、被保険者が死亡する前の最終月に得ていた休業補償を計算の基礎とする。
② 当該障害者が、葬儀料を支給される範囲内にあり、かつ、被保険者が、被保険者の資格と同時に第1項による障害者の資格で死亡した場合、第73による葬儀料と死亡給付を受ける権利がある。

第6節 子女扶養給付

第74条 被保険者は、給付を受ける月の前36ヶ月の期間、12ヶ月以上保険料を納付していた場合、子女扶養給付を受ける権利がある。

第75条 子女扶養給付の内容は以下の通り。
(1)子女の生活費
(2)子女の教育費
(3)子女の医療費
(4)その他必要な費用
② 以上は、省令で定める基準と率による。

第75の2条 第74条により子女扶養給付を受ける権利がある被保険者が、障害給付を受ける権利のある障害者であるか、または死亡した場合、障害者である被保険者、または、第75の4条に基づく個人は、子女扶養給付も受ける権利がある。

第75の3条 被保険者は、法律上の子供で、年齢が省令の定めに基づくが、満15歳を超えない子供について、1回につき2人まで、子女扶養給付を受ける権利がある。法律上の子供には養子または他人の養子とした者を含まない。
② 父親および母親が被保険者である場合、父親か母親かいずれか一方のみが子女扶養給付を受けることができる。ただし、離婚の届け出をしたか、または離婚しており、被保険者のいずれかの保護を受けている場合、当該保護者が給付を受ける権利を有する。
③ 子女扶養給付の基準、手続きおよび条件は省令で定める。

第75の4条 被保険者が死亡した場合、子女扶養給付は以下の順序により支給される。
(1)被保険者の配偶者、または、局長が定める基準により公に夫婦として同居していた個人、および子供の保護者。
(2)(1)の個人が庇護者でないか、または保護の権利を喪失したか、または死亡した場合、被保険者の子供の庇護者。

第7節 老齢給付

第76条 被保険者は、保険料を180ヶ月以上納付した場合、180ヶ月が連続しているかどうかにかかわらず、老齢給付を受ける権利がある。

第77条 老齢給付の内容は以下の通り。
(1)老齢年金と称する月別の年金、または
(2)老齢一時金と称する一回払いの年金
② 第1項の老齢給付の基準、手続き、期間および率は省令で定める。

第77の2条 被保険者が,180ヶ月以上保険料を納付した場合、年齢が満55歳に達した月の翌月から老齢年金を受ける権利を有する。ただし、満55歳に達したが、第38条または第41条による被保険者の地位が存続している場合、当該者は被保険者の地位を喪失した月の翌月から受け取る権利を有する。
② 被保険者が納付した保険料が180ヶ月に達せず、第38条または第41条により被保険者の地位を喪失した場合、当該者は老齢一時金を受ける権利がある。

第77の3条 老齢年金の給付を受けている者が、被保険者に戻った場合、第38条または第41条により被保険者の地位を喪失するまで、老齢年金の給付を中止する。
② 死亡以外の理由により被保険者の地位を喪失した場合、当該者は、老齢年金の給付を受ける権利を有する。
③ 死亡により被保険者の地位を喪失した場合、第77の4条により権利のある相続人が老齢一時金の給付を受ける権利を有する。

第77の4条 第77の2条により老齢給付を受ける権利のある被保険者が、給付を受ける前に死亡した場合、または、老齢年金の給付を受けている者が、老齢年金の給付を受ける権利を得た月から60ヶ月の期間内に死亡した場合、相続人は老齢一時金の給付を受ける権利を有する。
② 第1項の相続人の権利は以下の通り。
(1)養子または他人の養子になった者を除く、法律上の子供は2単位。被保険者に3人以上の子供がある場合3単位の給付を受けることができる。
(2)配偶者は1単位
(3)両親または、生存している父親または母親は1単位
(4)被保険者が文書により老齢一時金を受ける権利があるとしている子供は1単位
③ 相続人がない場合、または相続人が死亡していた場合、第77条の(2)による金額を法律上の相続人の間で分配する。
④ 第2項の親族がいないとき、被保険者の親族は以下の順序で老齢一時金を受取る権利がある。各順位で1人以上の親族がいる場合、その順位の者は同額に分けて受取る・
(1)同一両親から生まれた兄弟姉妹
(2)同一の父親または同一母親から生まれた兄弟姉妹
(3)祖父(父の父)、祖母(父の母)、祖父(母の父)、祖母(母の母)
(4)伯父、伯母、叔父、叔母

第77の5条 被保険者が、第71条による休業補償を受け、かつ、同時に老齢年金を受ける権利を有する場合、被保険者は第71条による休業補償および老齢一時金を代わりに受けることができる。
② 被保険者が、老齢年金の給付を受けたあと、老齢者が第38条第2項による期間内に障害者となった場合、老齢年金の支給は停止し、代わりに老齢一時金を支給する。その場合、障害者となる前に給付されていた老齢年金を、当該者が給付を受ける権利のある老齢一時金から差し引き、基金に帰属させる。

第8節 失業給付

第78条 被保険者である労働者は、失業の前15ヶ月の期間に6ヶ月以上保険金を納付し、かつ、以下の条件に従うとき、失業給付の給付を受ける権利を有する。
(1)労働の能力を有し、紹介された仕事に就く用意があり、または、訓練を拒否せず、政府の職業紹介所に登録をし、1ヶ月に1回以上出頭すること。
(2)失業の原因が、職務上の不正、または使用者に対する刑事上の罪、使用者に対して故意に損害を与えた、または就業規則に違反し、または法的に有効な命令に大きく違反し、または正当な理由なく継続して7営業日職務を放棄し、または過失により使用者に大きな損害を与え、または過失、軽犯罪によるものを除き、最終判決で懲役刑を受けたことによるものでないこと。
(3)本章第7節に基づく老齢給付を受ける権利を有する者でないこと。

第79条 被保険者は、最後の使用者の仕事から失業した日から数えて第8日目から、失業給付を受ける権利を有する。その基準と率は省令で定める。

第79/1条 被保険者が不可抗力で働けなかったか、使用者が不可抗力で仕事をさせることができなかった場合、被保険者が働けなかったときから15か月の期間に6か月以上保険金を納付しておれば、失業給付を受ける権利がある。その基準、条件および率は省令で定める。

第4章 担当官および監督官

第80条 職務の執行上、担当官は以下の権限を有する。
(1)日の出から日没までの間または勤務時間中に、事実に関する検査または尋問、資産または証拠書類の検査、雇用、貸金の支払い、労働者名簿、保険料納付に関する書類その他の関係書類の撮影または複写、あるいは関係書類の検査のための持ち出し、または本法に従い職務を執行するため、必要な事実を得るために必要な行為を行うため、使用者の事務所あるいは労働者の勤務場所に立ち入ること。
(2)保険料または追徹金を納付しない、あるいは全納していない使用者の財産がおかれていると信じられる相当の理由がある場合、当該場所または車両を、勤務時間中または日の出から日没までの間に検査すること。ただし、上記の時間に検査が終了しない場合は続けることができる。
(3)審議のため質問状をだすこと。あるいは関係者を召喚すること。または関係書類、あるいはその他の必要な物件を提出させること。これについては第30条の規定を準用する。
(4)使用者が保険料または追徴金を納付していない、あるいは全納していない場合、第50条に従い、局長の命令により使用者の財産を差し押さえること。
② 第I項の職務の執行に当たり、担当官は公務員または事務局の職員を同行させて補助させることができる。

第81条 第80条に基づく担当官の職務執行に対して、関係者は必要な便宜を与えなければならない。

第82条 職務を執行するに当たり、担当官は身分証明書を提示しなければならない。
② 担当官の身分証明書は大臣の定める規則に従うものとする。

第83条 本法に基づく職務執行に当たり、担当官は刑法に基づく権限を有するものとする。           .

第84条 社会保険に関する検査および業務の監督のため、使用者は被保険者の登録簿を作成し、担当官が検査を行うことができるよう使用者の事務所に保管しておかなければならない。
② 第1項の被保険者登録簿に関する規則は局長が定める。

第84/1条 第39条、第45条、第47条、第47の2条の期間を定めるに当たり、期間内に履行する義務のある者が期間内に実行できない理由があり、期間延長の申請を行ない、局長が適当と認める場合、事情により認めることができる。ただし、必要なときが終了した日から15日以内に申請しなければならない。
② 第39条、または第47条で定める期間の延長は追徴金の減額または停止の原因とはならない。

第84/2条 不可抗力その他の必要性があるとき、大臣は閣議の了承を得て、第39条または第47条の期限を必要に応じて延期することができる。

第5章 不服申立

第85条 使用者、被保険者またはその他の者が、本法により命令を出す局長または担当官の命令に不服の場合、第50条に基づく命令を除き、不服審査委員会に対して文書により、命令を受けた日から30日以内に不服を申立てる権利を有する。
② 不服申立の基準と手続きは省令で定める。

第86条 大臣は不服審査委員会を設置しなければならない。委員長は1名、委員は、法律の専門家、医療の専門家、社会保険組織の専門家、労働問題の専門家、使用者代表3名、労働者代表3名で構成、更に、事務局代表を委員並びに秘書長とし、委員は合計13名を超えないものとする。

第87条 不服審査委員会は、第85条に基づく不服申立を審議、決定する権限を有する。
② 不服審査委員会が、不服申立を審議、決定した場合、結果を文書により申立者に対して通知しなければならない。
③ 不服審査委員会の決定について、不服申立者が不服の場合、決定の通知を受けた日から30日以内に労働裁判所へ提訴しなければならない。ただし、期限内に労働裁判所へ提訴しなかった場合、不服審査委員会の決定は最終のものとする。

第88条 不服申立は、本法に従う局長または担当官の命令に従った履行を猶予するものではない。ただし、不服申立者が、局長に対して命令に従った履行を猶予するよう嘆願書を出しており、局長が、命令に従った履行を猶予し、不服審査委員会の命令を待つのが適当と判断した場合を除く。

第89条 不服審査委員会は、小委員会を設置して業務を委任することができる。小委員会は委任を受けた範囲で、不服審査委員会に対し意見を述べ、または報告するものとする。
② 小委員会の会議には、第13条の規定を準用する。

第90条 不服審査委員会の委員の任期は2年とする。
② 委員の再任は妨げないが、連続して2回を超えないものとする。

第91条 第11条、第12条、第13条および第17条の規定を不服審査委員会に準用する。

第6章 罰則

第92条 委員会、医療委員会、不服審査委員会、小委員会または担当官の命令に従わないで 必要な書類、証拠、または資料を提出しなかった者は、1カ月以下の禁固刑もしくは1万バーツ以下の罰金、または併科する。

第93条 故意に調査票に記載しないか、あるいは調査票に完全に記載しないか、あるいは所定の期限までに調査票を提出しない者は、5千バーツ以下の罰金に処す。

第94条 故意に虚偽の内容を調査票に記載した者は、6カ月以下の禁固刑もしくは2万バーツ以下の罰金、または併科する。

第95条 第32条に違反した者は、6カ月以下の禁固刑もしくは2万バーツ以下の罰金、または併科する。

第96条 第34条に定めた期限内に事務局に対し故意に報告を提出しない使用者、あるいは、第44条の期限内に変更の通知、または申請をしない使用者は、6ヶ月以下の禁固刑、もしくは2万バーツ以下の罰金、または併科する。
② 第1項の違反行為がなお連続している場合、違反者は更に1日につき5千バーツ以下の罰金を、その違反が継続している期間、あるいは履行されない期間中支払わなければならない。

第97条 第34条に基づき報告を提出した使用者、あるいは第44条に基づき変更の通知を文書で行った使用者が、故意にその報告、または変更通知書に虚偽の事項を記載した場合、6ヶ月以下の禁固刑、もしくは2万パーツ以下の罰金、または併科する。

第98条 第80条に基づく職務の執行に開し、それを妨げた者、あるいは担当官に便宜を供与しなかった者は、1カ月以下の禁固刑、もしくは1万バーツ以下の罰金、または併科する。

第99条 第84条を履行しない使用者は、1カ月以下の禁固刑、もしくは1万バーツ以下の罰金、または併科する。

第100条 通常使用者が秘密にする事業に関する事実を本法に基づく職務の執行によって知った者がその事実を公表した場合、当該者は1カ月以下の禁固刑、もしくは3千バーツ以下の罰金、または併科する。ただし、その公表が本法上必要であり、あるいは労働者の保護のため、あるいは裁判の尋問または審議のため公務上の公表である場合を除く。
 
第101条 法人が違反して本法に従い処罰される場合、当該法人の取締役全員並びにその法人の運営責任者がその法人と同様の処罰を受けるものとする。または、上記の個人が命令したか、しなかったことにより法人が違反を犯した場合、当該人はその違反による罰則を受けなければならない。
 
第102条 以下の担当官は、罰金のみの処罰、または罰金と6ヶ月以下禁固刑の違反を犯した者について、禁固刑まで科すべきでないか、または告訴されるべきではないと判断した場合、第95条の処罰を除き、以下のように酌量する権限を有するものとする。
(1)バンコク都内で発生した違反については、局長または局長が委任する者。
(2)その他の県で発生した違反については、当該県の県知事または県知事が委任する者。
② 調査が行われる場合、調査担当官は、本法に基づき罰金を科すことができる違反を行った者を発見、当該者も罰金を定めることを承諾した場合、調査担当官は当該者が罰金の決定を承諾した日から7日以内に、その事件の内容について、事情に応じて局長または県知事へ報告書を提出するものとする。
③ 違反者が決定された罰金を30日以内に支払った場合、刑事訴訟法に従いその事件は終結したものとされる。
④ 違反者が罰金の決定を承諾しない場合、あるいは承諾したが第3項の期限内に罰金を納付しない場合は、事件の手続きを進めるものとする。

経過規定

第103条 本法が施行された日から、本法は20人以上の労働者を有する事業に対して適用されるものとする。
② 本法の施行後、3年を経過したときから、本法は10人以上の労働者を有する事業に対し適用されるものとする。
③ 本法は、勅令により場所、時期を定めて、労働者が10人に満たない使用者に対して、適用されるものとする。

第104条 第2章第2節の規定が有効となった日から、業務上の原因によらない傷害または疾病給付、障害給付、死亡給付および出産給付のための保険料の徴収を開始する。
② 子女扶養給付および老齢給付のための保険料の徴収は、勅令により時期を定めるが、1998年12月31日以前とする。
③ 失業給付のための保険料の徴収開始時期は、勅令によって定める。

(おわり)