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2002年営業秘密法

(改正:2015年) 2017年12月9日更新  翻訳:元田時男

前文省略

第1条 本法は「2002年営業秘密法」と称する。

第2条 本法は官報で公布した日から90日を経過した日から施行する。

第3条 本法において、
「営業秘密」とは、まだ一般に知られていない営業上の営業資料、または秘密であることから営業上の重要部分をなし、所有者が秘密として維持することが適当とするものをいう。
「営業資料」とは、どのような方法であるかを問わず、情報を伝達する媒体、情報の内容、事実をいい、公式、図面、プログラム、技術、技巧、工程などをいう。
「生産」とは、製造、混合、状態の変更をいい、形状の変更、包装を含むものとする。
「販売」とは、営業上の利益のため売りさばき、譲渡、頒布、交換することをいい、販売のため保管することを含む。
「薬品」とは、薬事法に基づく薬品をいう。
「農業用化学品」とは、農業に使用される化学品で、消毒薬、殺虫剤、または農業に損害を与える動植物を
「営業秘密の持主」とは、営業秘密を考案、編成、または創案した者で、他人の営業秘密を侵害せず、正当に試験の結果もしくは秘密である営業資料に関する権利を有する者をいい、本法に基づき権利を譲渡された者を含むものとする。
「営業秘密の管理者」とは、営業秘密の持主で営業秘密を管理する者をいう。
「裁判所」とは、知的所有権・貿易裁判所設置、訴訟法に基づく知的所有権・貿易裁判所をいう。
「委員会」とは、営業秘密委員会をいう。
「委員」とは、営業秘密委員会の委員をいう。
「担当官」とは、本法執行のため大臣が任命する者をいう。
「局長」とは、知的所有権局局長および同局長から権限を委譲された者をいう。
「大臣」とは、本法を所管する大臣をいう。

第4条 農業・協同組合大臣、商務大臣および保健大臣に本法を所管させ、本法に基づき各省の権限に関係する担当官の任命、省令、規則の公布を行う権限を与える。
② 省令および規則は官報で公布されたとき施行される。

第1章 営業秘密の管理

第5条 営業秘密は他人に譲渡することができる。
② 営業秘密の持主は、営業秘密を公開し、持出し、使用し、または、秘密として管理することを条件として他人に同様のことを許容することができる。
③ 第1項の譲渡は、相続でない場合、文書で行い、譲渡者と被譲渡者が署名をしなければならない。期間の定めがないときは、10年間とする。

第6条 本法に基づく営業秘密の権利侵害とは、営業秘密の持主の承諾なしに営業秘密を漏洩し、持出し、使用することであり、営業上の重要な部分を正当に使用することに違反するものである。いずれも、侵害者は違反であることを知っているか、知っているという根拠がある場合である。
② 第1項の正当に使用することに対する違反は、契約違反、権利侵害を教唆すること、収賄すること、脅迫すること、だますこと、盗むこと、窃盗者から受け取ること、電子的方法等により諜報活動をすることを含む。

第7条 以下の行為は営業秘密の権利侵害には該当しない。
(1) 法律行為により営業秘密を獲得した者が公開、使用した場合で、契約相手が他人の権利を侵害しているということを知っていなかったか、知っていたという証拠がない場合。
(2) 営業秘密を管理する政府の機関が、以下に該当する場合に公開、使用すること。
 (イ) 公衆の健康、安全を保護するために必要な場合
 (ロ) 営業の目的でなく公衆の利益のために必要な場合。この場合、営業秘密を管理する政府の機関、またはは営業秘密を知った政府機関もしくは関係者が、営業秘密を保護するための手続きに従って不正な行為から保護するための行為である場合
(3) 自由な発見、つまり、他人の営業を発見者自身の知識、経験により、発明の方法により創作した場合、または、
(4) 遡って研究すること。つまり、営業秘密の発見者が一般に知られている製品を推測、研究して、発明、創作、または開発した場合。ただし、当該者は正当に製作したものでなければならない。
② 前項(4)の行為は遡って研究した者が、営業秘密の持主と、または製品の販売者と契約をしていた場合は該当しない。

第8条 営業秘密の権利を侵害したか、侵害しようとする確証がある場合、営業秘密の管理者は以下の権利を有する。
(1)権利侵害を一時的に取り止めることを、裁判所が命令するよう請求すること。および、
(2)裁判所に対して、侵害者の侵害を禁止する命令を出すよう提訴すること、および、侵害者が損害賠償するよう提訴すること
②上記(1)の権利は、(2)の提訴の前に行使することができる。

第9条 第8条の権利を行使する前に、侵害されたか、侵害される恐れのある営業秘密の管理者およびもう一方の当事者は、委員会に対して紛争の調停、和解を申請することができる。ただし、営業秘密の権利を喪失するものではなく、また、調停、和解が不調に終わった場合、もう一方の当事者は紛争の仲裁または裁判による解決をはかることができる。
② 第1項の委員会による調停、和解の申請、調停、和解の手続きは省令の定めに従う。

第10条 営業秘密の侵害事件は、営業秘密の管理者が、権利侵害および侵害者を知った日から3年を経過したとき提訴することはできない。ただし、侵害が行われた日から10年を経過した場合提訴できない。

第2章 営業秘密に関する審理

第11条 営業秘密の管理者が、第8条(2)に基づき裁判所に対して提訴したとき、裁判所が審理したが命令を出す特別な状況にないと判断した場合、管理者に対して適当な報酬を支払い、裁判所が適当と認める期間、引き続き当該営業秘密を使用することを認めることができる。
② 第8条(2)に基づき裁判所が権利侵害を中止するように命令を出したが、当該営業秘密は一般に周知されたものであるか、営業秘密である状況にない場合、中止の命令を受けた者は裁判所に命令を取消すよう請求できる。
③ 第8条(2)の裁判所への命令請求について、営業秘密の管理者は、営業秘密の権利侵害に使用された物品、器具、設備等を廃棄し、差し押さえるよう裁判所へ請求することができる。
④ 営業秘密の権利侵害により製造された製品および権利が、裁判所の命令により国家または営業秘密の管理者のものになったとき、もしくは製品が法律に違反していた場合、裁判所は当該製品を廃棄するよう命令することができる。

第12条 営業秘密の管理者の営業秘密が製造方法であり、侵害者を民事事件として告訴した場合、営業秘密の管理者が、自身の営業秘密と同様の方法により侵害者が製造したことに確信があるとき、侵害者が当該営業秘密を使用して当該商品を製造したことをあらかじめ推定しなければならない。ただし、侵害者がそうではないと証明した場合を除く。

第13条 第8条(2)により提訴があり、賠償金を決定する場合、裁判所は以下の条件を定めることができる。
(1) 実際に生じた損害のほか、裁判所は営業秘密の侵害者に対して、営業秘密により得ることのできる利益も加えることができる。
(2) (1)により賠償金を決定することができないとき、裁判所は、裁判所が適当と認める金額を営業秘密の管理者へ支払うよう定めることができる。
(3) 営業秘密の権利侵害が故意に秘密を漏洩したものであるという明白な証拠がある場合、裁判所は(1)、(2)による賠償金に加えて、(1)、(2)による賠償金の2倍を超えない賠償金を支払うよう命令することができる。

第14条 営業秘密の権利行使および裁判は、本法によるほか、「知的所有権・貿易裁判所設置、訴訟法」によることとする。

第3章 政府機関による営業秘密の管理

第15条 新規の成分を使用した薬品、農薬を製造、輸入、輸出、販売する場合許可申請を定めた法律があるとき、申請書には資料を添付しなければならない。資料の全部または一部に努力を伴う研究の成果として、または制作、発見、創作された資料として営業秘密があり、当該政府機関に営業秘密として扱うよう申請があった場合、当該政府機関は、大臣が定める以下の規則に従い、公開、持出し、不正に営業用として使用されないよう注意しなければならない。
② 第1項の規則にはすくなくとも以下のことが含まれていなければならない。
(1) 関係政府機関に対する営業秘密の取扱注意の条件
(2) 営業秘密である研究成果または資料の詳細
(3) 営業秘密として取り扱う期間
(4) 営業秘密である技術の種類、研究成果、資料を考慮して、その管理方法、および
(5) 営業秘密を扱う担当官の義務と責任

第4章 営業秘密法委員会

第16条 営業秘密法委員会を設置する。その組織は以下の通り。
(1) 商業省次官を委員長とする。
(2) 知的財産局長を委員会副委員長とする。
(3) 農業技術局長、薬品食品委員会事務局長を委員とする。
(4) 閣議で次の有資格者を選任する。農学、情報技術、法学、商学、通商、医学、薬学、科学。工学、経済学、工業その他本法執行に有益な学識経験者を11人以内で、その中に6人の民間人を6人以上含む。
② 委員会は知的財産局から秘書長と秘書長補佐を選任しなければならない。

第17条 削除

第18条 学識経験者の委員の任期は1回4年とする。
② 学識経験者の委員が任期終了前に退任したとき、または委員の任期終了前に大臣が委員を追加任命したとき、追加任命された委員の任期は他の委員の任期終了のとき任期終了する。
③ 第1項の任期が切れたとき、学識経験者の委員が選任されないとき、新しい委員が選任されるまでその職務に就くものとする。
④ 学識経験者の委員が任期満了したとき再任は可能であるが、継続して2回を超えて再任されないものとする。

第19条 任期終了のほか、学識経験者の委員は以下の場合退任する。
(1 )死亡
(2) 辞任
(3) 大臣による解任
(4) 職務に欠陥があり忠実でないか、能力に欠けるとき
(5) 破産者となったとき
(6) 成年被後見人または被保佐人となったとき
(7) 最終判決で禁固刑を受けたとき。ただし、過失、軽犯罪のときを除く。

第20条 委員会会議の定足数は委員総数の半数とする。
② 委員長が会議に出席できないとき、または職責を果たせないとき、副委員長が議長となる。
委員長、副委員長が出席できないか職責を果たせないとき、出席した委員の中から議長を選任する。
③ 委員会会議の決議は過半数の賛成を要し、委員1名1票とする。賛否同数の場合会議の議長が追加の決定票を有するものとする
④ 議題に利害関係を有する委員は会議に参加することを禁止する。

第21条 委員会は以下の権限を有する。
(1) 営業秘密の保護に関する政策、基準、および営業秘密の移転に関する政策について商務大臣が閣議へ提案するよう具申すること。
(2) 本法に従う省令、規則の立案について大臣へ助言すること
(3) 営業秘密に関する紛争があった場合、当事者の申立てにより調停すること。
(4) 法律が委員会の権限として定めるその他の事項

第22条 委員会は、審理、採決、執行の権限を小委員会に委譲することができる。
② 小委員会の会議については、第20条を準用する。

第23条 本法執行に当たり、第21条(3)の場合を除き、必要に応じ審理のため、委員会に個人を証人として喚問し、資料、書類、物品の提出を文書により命令する権限を与える。
② 第1項の命令は証人召喚、資料、書類、物品提出の目的の詳細を明確にしなければならない。

第24条 本法執行のための召喚状、通知書、その他の書類は書留配達証明郵便により当該人の住所、所在地、事業所へ送付するか、または委員会が定めるその他の方法により送付しなければならない。
② 第1項の方法により送付することができないとき、または当該人が国外へ出ているときは、召喚状等を、当該人の住所、所在地もしくは事業所、もしくは住民登録法に基づく住民票に氏名がある住所に掲示するか、当該地の新聞により公告する方法によることができる。
③ 上記の方法を執行した場合、召喚状等を当該人は受領したものとみなす。
④ 召喚状、通知書、その他の書類送付の方法および利害関係者の答弁の権利については、委員会が定め、官報で告示する基準によるものとする。

第25条 本法に基づく営業秘密に関する執行は一般的に知的財産局の権限とし、同局は業務の執行、会議、資料の検討、その他委員会委員会決定に関する業務を本法に関係する政府機関と協力して行い、委員会が委譲する業務を執行するものとする。

第26条 本法執行にあたり、委員長および委員を刑法による検察官とする。

第5章 担当官

第27条 本法に基づく刑事事件に関する業務執行について、担当官に次の権限を与える。
(1) 本法に違反して物品を所有、製造、使用している疑いがあり、捜査状を請求した場合、証拠隠滅の恐れがあると判断される場合、捜査のため、日の出から日没までの間、または営業時間内に、建物、事業所、製造所、倉庫、車両へ立ち入ること。
(2) 本法違反の疑いがある場合、違反に関する書類、物品を3ヶ月以内の期間押収すること。

第28条 担当官の公務執行に当たり、関係者は必要な便宜を供与しなければならない。

第29条 第27条の公務執行にあたり、担当官は関係者に対して身分証明書を提示しなければならない。
② 第1項の身分証明書は大臣が定め、官報で告示する。

第30条 本法に基づく公務執行にあたり、担当官を刑法に基づく検察官とする。

第6章 罰則

第31条 第27条に基づく担当官の公務執行を妨害した場合、1年以下の懲役もしくは2万バーツ以下の罰金、または併科する。

第32条 第28条に基づく担当官の公務執行に便宜を供与しない場合、1ヶ月以下の懲役もしくは2千バーツ以下の罰金、または併科する。

第33条 営業秘密を故意に、文書、放送、配布物による広告、またはその他の方法により漏洩し、周知のものとし、営業秘密の管理者に損害を与えた場合、1年以下の懲役もしくは20万バーツ以下の罰金、または併科する。

第34条 第15条第1項の営業秘密にかかわる地位を利用して、自己または他人の利益のために不正に営業秘密を公開した場合、2年以下の懲役もしくは20万バーツ以下の罰金、または併科する。

第35条 本法の執行により得た、または事前に知って、秘密にしておくべき営業秘密の管理者に関する事実を公開した場合、1年以下の懲役もしくは⒑万バーツから百万バーツまでの罰金、または併科する。ただし、公務、調査、訴訟による公開の場合を除く。
② 第1項の個人から事実を得、事前に知って公開した場合、同様の刑罰に処す。

第36条 違反が法人により行われた場合、命令による場合または取締役、管理職の職務で行われた場合を問わず、違反者は当該事犯にかかる刑罰に処す。

第37条 第33条および第36条の違反は和解することができる。

第38条 第33条および第36条の違反については、委員会は行政処分を科すことができる。その場合、委員会は罰金の基準と条件を定めて小委員会、局長、調査官、担当官に委任することができる。
② 第1項の定めに従い、調査して、調査官が本法に違反であると認め、違反者が罰金に応ずる場合、調査官は事件を委員会または委員会が権限を委譲した者へ移送し、第1項の罰金を、違反者が罰金を容認した日から7日以内に科さなければならない。
③ 違反者が期限内に罰金を支払ったとき、刑事訴訟法の条項により事件は終了したものとする。
④ 違反者が罰金を認めないか、期限内の支払いに応じないとき、事件は引き続き継続審理される。

付則

第39条 本法は、本法施行前に営業秘密を漏洩、持出し、使用していた場合は適用しない。
② 本法に違反した商品が、本法施行日前に製造、輸入または輸出されていた場合は、本法施行日から1年以内に販売、または輸出することができる。

(おわり)