妊娠している労働者の扱い

Q:妊娠している女性労働者に対してどのような規定を設けてあるのでしょうか?(2020年5月6日)

A:労働者保護法では以下の保護規定を設けています。従って女性が妊娠したら速やかに会社へ報告するよう就業規定でも定めておくことが大事です。
1.禁止される労働(39条)
(1)振動する機械またはエンジンに関する作業
(2)車両の運転または関連作業
(3)15キロを超える重量物の持ち上げ、肉体による運搬、牽引作業
(4)船内作業
(5)その他省令で定める作業(労働専門弁護士または労働事務所で確認のこと)

2.労働時間
 まず、39条/1条において22時から6時までの労働、時間外、休日に働かせてはならないと定めている。たとえ、時間外労働手当てが欲しいため残業したいと本人が希望しても、時間外労働をさせたら違反となります。
 また、2直、3直制を採用している企業でも、22時から6時までの労働に就かせることはできません。
 時間外労働については、例外があり、法に基づく省令第7号の5条において、妊娠した労働者が、経営者の地位の業務、専門業務、事務(会計を含む)に就いている場合は、本人の承諾を得て健康に差支えのない範囲で労働日に時間外労働をさせることができると定められています。

3.休暇
 次に産前産後の休暇ですが、41条において、1回の妊娠について98日(以前は90日であったが2019年に改正された)の範囲内で休暇を取る権利があり(妊娠検診のための休暇を含む)、そのうち59条により45日は有給であります。
 また、32条3項において、出産休暇は病気休暇とはみなさないと規定されているので、病気休暇は57条により別途年間30日まで有給であることに注意して下さい。

4.業務変更
 42条により、今までの労働が妊娠により難しいことが1級現代医師により証明されたときは、労働者は配置転換を要求する権利があります。

5.解雇
 43条により、妊娠を理由として解雇することはできません。これに違反すれば144条により6か月いかの懲役、もしくは10万バーツ以下の罰金、または併科ですから注をようします。

一回目テレビ会議(Web会議)またはeメールご相談は無料です。