「就業規則は労使間の協定とみなされる場合がある

Q:就業規則は日本と同じように改正できるのでしょうか?

A: 労働関係法10条1項において「20人以上の従業員を有する事業所は労働条件協定を持つようにしなければならない」と定め、3項において「労働条件協定を有するか疑問がある場合、就業規則を労働条件協定とみなす」と定めています。

 これは一体何を意味するのでしょう。

 労働条件協定は、労働関係法12条以下にあるように、労使の交渉によってできる労使の合意事項であります。

 そうなると、従業員20人以上の事業所においては、従業員の同意なしには就業規則を変更できないということになります。使用者が変更しようと望むなら、労働関係法13条以下に規定されている労使交渉の手順を踏まなければならないことになります。

 それでは、会社が操業当時は一方的に就業規則を作成しても、従業員が20人を越えたら一方的に変更はできないのであれば、企業の人事権、または経営権は制限されるのかと問われれば、タイの法律を読む限り、制限されていると答えざるを得ません。

 参考のために日本の場合を見ますと、労働基準法90条において「使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合において労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない」と定めています。もっとも聴かなければならないが、反対があっても他の要件を具備する限り就業規則の効力には影響がないという行政判断があります。また、それを支持する判例もあります。

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