icon-anchor 2017年特定業種国際競争力増進法

2017年特定業種国際競争力増進法

2017年2月13日付官報公布 翻訳:元田時男

前文省略
第1条 本法は「2017年特定業種国際競争力増進法」と称する。

第2条 本法は官報で公布された翌日から施行する。

第3条 本法において
「特定業種」とは、国家の潜在力に合った産業で、国家の経済、社会、安寧に大きく貢献するもので、さらに国家の競争力を高めるものをいう。その業種は政策委員会が定め、今までにない新しいもの、または最新の技術もしくは高度な知見を駆使するもので近代化を促進するものでなくてはならない。
「奨励申請者」とは、特定業種を営む者で、本法による奨励を申請する者をいう。
「被奨励者」とは、本法による奨励証書を受けた特定業種を営む者をいう。
「基金」とは、特定業種国際競争力増進基金をいう。
「政策委員会」とは、特定業種国際競争力増進政策委員会をいう。
「長官」とは、投資委員会長官をいう。
「事務局」とは、投資委員会事務局をいう。
「担当官」とは、総理大臣が本法を執行する者として任命した者をいう。

第4条 総理大臣が本法を管掌し、本法を執行する担当官を任命するものとする。

第1章 特定業種国際競争力増進政策委員会

第5条 特定業種国際競争力増進政策委員会と称する委員会を設置する。総理大臣を委員長とし、総理大臣が副総理大臣を副委員長として権限を委譲する。財務大臣、科学技術大臣、工業大臣、経済・社会ディジタル省次官、予算局部長、国家経済社会開発委員会長官、国家科学技術政策委員会事務局長官を委員とする。
② 長官は委員および事務局長とする。長官は事務局内の2名を長官補佐官に任命する。

第6条 政策委員会は以下の権限を有する。

 (1)特定業種国際競争力増進の戦略および企画を定めること。
 (2)特定業種の種類、内容を定めること。
 (3)特定業種に投資させるため事業者を発掘、協議するための方針を定めること。
 (4)本法に基づく権利と恩典を付与する基準、手続き、条件を定めること。
 (5)奨励奨励申請者に本法に基づく権利と恩典を付与し、各事業が履行しなければならない条件を定めること。
 (6)基金から支援金を支出することを許可すること。
 (7)本法に基づく権利と恩典を取消すこと。
 (8)基金の収支、管理に関する規則を定めること。
 (9)基金の効果、被奨励者への権利と恩典の効果の評価、およびその結果を閣議に報告すること。
(10)政策委員会の権限とされるその他の業務執行、および閣議が委任した業務の執行。

第7条 政策委員会会議の定足数は、全委員の半数以上とする。
② 政策委員会の会議では、委員長が出席できないか業務執行ができないとき、副委員長を委員長とする。副委員長が出席できないか業務執行ができないとき、会議で委員の一人を会議の議長として選任する。
③ 委員会会議の決定は過半数の賛成を要する。委員は一人1票を有し、賛否同数となった場合、会議の議長が追加の1票の決定票を有するものとする。 

第8条 発掘協議小委員会を設置し、政策委員会の副委員長を小委員会委員長とする。財務省代表、経済・社会ディジタル省代表、科学技術省代表、工業省代表、国家経済社会開発委員会事務局代表を小委員会委員とする。 
② 長官を小委員会の委員とする。国家科学・技術政策委員会事務局代表を小委員会の委員および事務局長補佐とし、長官が事務局の一人を事務局長補佐に任命する。

第9条 発掘協議小委員会は以下の権限を有する。

(1)事業者が特定業種に投資するよう政策委員会が定める協議を行うこと。
(2)奨励奨励申請者が本法に基づく権利と恩典を得られるよう審査、認可を行うため政策委員会に対して協議の結果を報告すること。
(3)発掘協議小委員会が委任する業務を執行するため作業部会を設置すること。
(4)政策委員会の委任に基づくその他の業務を執行すること。

第10条 本法の執行に当たって、政策委員会は事務局に権限を委譲するか、または小委員会を設置し権限を委譲するか、または事情説明、助言、意見を行う関係者を招聘することができる。
② 事務局または小委員会が第1項の規定を実行する場合、政策委員会へ報告しなければならない。

第11条 小委員会の会議については第7条の規定を準用する。

第12条 事務局は、政策委員会事務局長の事務局として以下の権限を有する。
 (1)政策委員会、小委員会および作業部会の業務、会議に対して責任を持つ。
 (2)被奨励者の業務について監視および調査を行う。
 (3)被奨励者の監視および調査の結果を政策委員会へ報告し、政策委員会が基金からの支援を審査できるようにする。
 (4)被奨励者の問題、困難を政策委員会へ報告し、政策委員会が奨励証書の条件を緩和するよう審査することを促す。
 (5)国の経済情勢を調査分析し、本法に基づく特定業種に相応しい事業を選定するよう政策委員会に報告すること。
 (6)外国の特定業種の振興状況を調査分析し、政策委員会、小委員会および作業部会の参考にすること。
 (7)特定業種の事業者に関する情報、統計を作成すること。
 (8)基金の活動状況、被奨励者に付与された権利と恩典の効果を評価し、政策委員会に政策委員会に報告すること。
 (9)本法の執行に当たり、政府、政府機関および民間と協調、協力すること。
(10)政策委員会が定める規則に従い基金の収入、支出および管理を行うこと。
(11)政策委員会、小委員会および作業部会が委譲するその他の業務執行。

第13条 本法に基づく権利と恩典を受けた特定業種の検査、評価をしなければならない場合、事務局は代行者に委任して報告させることができる。その基準は政策委員会が定める。

第14条 担当官は、必要に応じて就業時間内に被奨励者の事業所に立入り、奨励を受けた事業について事業所内の人員に質問し、書類、物件を検査することができる。
② 担当官が立入するとき、緊急の場合を除き、事前に書面により被奨励者に対して通告しなければならない。

第15条 第14条の執行を行う場合、担当官は身分証明書を関係者に提示しなければならない。
② 第1項の身分証明書は長官が定める。

第2章 発掘および協議、奨励

第16条 政策委員会は特定業種の種類、内容を定め、本法に基づく権利と恩典の基準、手続きおよび条件を告示しなければならない。

第17条 第16条に基づく告示が公布され、発掘協議小委員会は本法による権利と恩典を付与するに相応しい特定業種の事業者を発掘した場合、当該事業者に対して審査を受ける意志があれば、定められた期間内に事務局に対し投資を申請、協議するよう勧めなければならない。事務局は投資申請を受理した場合、発掘協議小委員会に対して協議を開始するための分析結果と意見を提出しなければならない。
特定業種の事業者の発掘、協議は第6条(3)による政策委員会の定めに従わなければならない。
③ 第2項の協議が終了したとき、発掘協議小委員会は協議の結果の報告書を作成し、同時に特定業種の当該事業者が合意した期限内に事業の詳細を付して投資奨励の申請を事務局に対して行い、事務局は政策委員会に対して当該事業による権利と恩典を認めるよう申請しなければならない。

第18条 第16条に基づく告示が公布され、特定業種の事業者が本法による権利と恩典を希望する場合事務局に対して投資の申請を行わなければならない。事務局は投資の計画を受理した場合、分析を行い、協議を進めるかについて発掘協議小委員会へ意見を具申しなければならない。その際第17条第2項および第3項を準用する。

第19条 被奨励者はタイの法律の基づく法人でなければならない。
② 第17条、または第18条に基づく奨励申請は長官が定める基準、手続き、条件および様式に従わなければならない。

第20条 政策委員会が発掘協議小委員会の結果報告、および第17条または第18条による奨励奨励申請者の投資内容と申請書を審査し、奨励に値すると認めた場合、本法に基づく権利と恩典を認可しなければならない。政策委員会は、投資の内容、事業の規模、事業の開始、人材育成、分析開発、技術移転または政策委員会が適当と認め、被奨励者が守るべき条件を付すことができる。
② 政策委員会が第1項の認可を行った場合、事務局は認可の日から15日以内に政策委員会が定める条件を併せて奨励申請者に通地しなければならない。
③ 奨励申請者は第1項の権利、恩典および条件に同意した場合、通知書を受領した日から1か月以内に文書で回答しなければならない。
④ 正当な理由がある場合、長官は第3項の期間を1回につき1か月、3回まで延長することができる。

第21条 奨励申請者が、第20条の権利と恩典および条件に同意した場合、遅滞なく奨励証書を奨励申請者に発給しなければならない。奨励証書には、権利と恩典および特定業種の事業を行う場合の条件の詳細を掲載しなければならない。

第22条 奨励証書は政策委員会が定める様式によらなければならない。
② 症例証書には長官が署名しなければならない。
③ 奨励証書の改正には政策委員会の同意が必要で、長官が改正後の奨励証書に署名をし、遅滞なく被奨励者に発給しなければならない。

第3章 権利と恩典

第23条 被奨励者は以下のいずれかまたは複数の権利および恩典が付与される。
(1)投資奨励法に基づく権利および恩典。ただし、法人所得税の減免については別とする。
(2)第24条に基づく法人所得税の減免に関する権利および恩典。
(3)基金からの財政的支援に関する権利と恩典。

② 第1項の権利と恩典の付与は政策委員会の権限とする。
③ 第1項の権利と恩典の付与は、被奨励者ごとに異なる権利と恩典を付与することができる。その際、国家の特定産業の促進、発展の必要性、効果を考慮するものとする。
④ 本法による執行の便宜をはかるため、(1)の投資奨励法の第3章権利と恩典、第4章機械、原料および必要材料の規定を準用する。また、投資委員会の権限は本法の政策委員会の権限とみなす。

第24条 被奨励者は、特定業種の事業から得られた純利益について、政策委員会が定める期間法人所得税が免税される。その期間は、当該事業から最初に収益が得られた日から最高15年間を超えないものとする。免税期間について政策委員会は、土地代と運転資金を除く投資額に応じたものとすることができる。
② 事業から得られる純利益には政策委員会が審査して適当と認めるくずの販売、半製品の販売からの純利益を含めなければならない。
③ 第1項による法人所得税免税期間中に損失が出た場合、政策委員会は被奨励者が当該免税期間中の年度に生じた損失を法人所得税免税期間終了後の年度の純利益から控除すること認めることができる。その期間は免税期間終了後の5年間とし、どの年度、または複数年度の利益から控除することもできる。
④ 第1項の投資額の計算については、政策委員会が定める基準と手続きによるものとする。
⑤ 法人所得税の免税恩典を受けた被奨励者の純利益および純損失の計算は国税法典に基づき行うものとする。

第25条 第24条で法人所得税の免税が受けられる特定事業からの配当は、被奨励者が法人所得税の免税を受けている期間中は免税となり所得税の計算に含める必要はない。
② 第1項の所得税の免税を受ける配当は、所得税の免税を受けている期間終了の日から6か月以内に支払われる場合、第1項の免税が受けられる。

第26条 政策委員会は、被奨励者の特定業種に関する投資、研究開発、改善、人材育成について基金からの金銭的支援を検討することができる。
② 第1項による支援金の検討の基準、手続きおよび条件は政策委員会が定める。

第27条 被奨励者が、政策委員会が定めた条件に違反、または履行しない場合、政策委員会は当該被奨励者に付与した権利と恩典を取消さなければならない。
② 本法執行便宜のため、投資奨励法第6章権利と恩典の取消の規定を第1項の取消に準用する。また、投資委員会の権限は本法の政策委員会の権限とみなす。

第4章 特定業種国際競争力増進基金

第28条 事務局内に特定業種の振興、発展を目的とする特定業種国際競争力増進基金を設置し、国際競争力を増進することとする。

第29条 基金は以下の資金および資産で構成する。
(1)政府が用意する開始資金
(2)政府の補助金
(3)寄付または贈与された資金または資産
(4)基金の所有となった資金または資産
(5)基金の資金または資産から生ずる利息または利益
② 第1項の資金および資産は国庫に納入する必要はない。

第30条 基金の資金は以下の基金の目的に使用しなければならない。
(1)特定業種に限り、投資、研究開発、改善の促進、人材育成の資金を支援すること。
(2)政策委員会の定めに従う基金の執行に関する費用
②(1)の支援金の支出は被奨励者が政策委員会が定めた条件に従わなければならない。

第31条 基金の資金は政策委員会が定める財務省へ寄託するか、国営企業である銀行に預金しなければならない。

第32条 事務局は、一般に認められた会計原則に基づき正しく会計を記録し、公開しなければならない。

第33条 事務局は、会計年度末から60日以内に会計報告を監査人に報告しなければならない。
② 基金の会計年度は予算年度に合わせる必要があるが、政策委員会が別段の定めをした場合を除く。

第34条 国家予算監査事務局、または国家予算監査人を基金の会計監査人とし、毎会計年度の各種会計の監査をさせるものとする。
② 基金の会計監査人は、会計監査の結果報告を政策委員会に対して、会計年度末から150日以内に行わなければならない。
③ 政策委員会は、会計監査人の報告を受けた日から30日以内に財務省に対して財政状態、会計監査の結果報告を行わなければならない。

第35条 事務局は、政策委員会が定める基準と手続きに従い基金の事業報告を監査する手順を決めなければならない。

第36条 基金の事業が今後必要性がなくなった場合、政策委員会は基金の廃止について閣議の意見を聞かなければならない。
② 閣議が同意した場合、閣議の決定から30日を経過とき基金は廃止される。

第37条 基金を廃止するとき、資産を調査し、会計を清算し、残余の資産は寄贈するか売却しなければならない。その基準、手続きおよび条件は政策委員会が定める。
② 会計の清算中、基金は生産に必要な期間存続するものとみなす。

付則

第38条 基金の目的に支出するため、政府が用意する当初必要とする資金は合計100億バーツとする。

(おわり)