ニュース 4号(180501)

SME MULTI CONSULTANT ニュース 4号(180501)

 

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

タイ国税法典改正で移転価格税制条項追加 !?

タイ国税法典とは、タイの所得税・法人税・付加価値税・特定事業税・印紙税の5つの税目を規定する法律で、タイの財務省国税局が所管しています。現在、タイ政府は「タイ国税法典改正法」というかたちでタイ国税法典の一部改正作業を進めています。

内容とは、ズバリ「移転価格税制(Transfer Pricing)」です。従来、タイ国税局では、「国税局通達Por113/2545(下記**ご参照)」など法律よりも格下の法令で対応してきた部分なんですが、ここへきて「法律改正」つまり規制強化に乗り出すわけです。

それでは、法案に記載されている法律改正の根拠のタイ語原文と和訳をご覧ください。

หลักการและเหตุผลความจำเป็นของร่าง พ.ร.บ. Transfer Pricing

โดยทีในปัจจุบันกลุ่มบริษัทหรือห้างหุ้นส่วนนิติบุคคลหลายรายทีมีความสัมพันธ์กันในด้านทุน การ จัดการ และการควบคุม อาจมีข้อกำหนดทางด้านการพาณิชย์หรือการเงินในการทำธุรกรรมระหว่างกันแตกต่าง ไปจากที่ควรกำหนดหากได้ดำเนินการโดยอิสระ เนื่องจากธุรกรรมระหว่างคู่สัญญาทีมีความสัมพันธ์กันนัน สามารถควบคุมกันได้และไม่อยู่ภายใต้กลไกของตลาด จึงอาจถูกนำมาใช้เพื่อถ่ายโอนกำไรในระหว่างกลุ่ม บริษัทหรือห้างหุ้นส่วนนิติบุคคลทีมีความสัมพันธ์กัน เพื่อหลีกเลียงภาระภาษีอากรทีพึงต้องเสีย และมีแนวโน้ม ทีจะใช้วิธีการดังกล่าวเพิ่มมากขึ้นอย่างต่อเนืองจนส่งผลกระทบอย่างมากต่อการจัดเก็บภาษีและสถานภาพ ทางการคลังของรัฐ ดังนัน เพื่อเป็นการแก้ไขและป้องกันปัญหาดังกล่าว สมควรกำหนดหลักเกณฑ์การจัดเก็บ ภาษีเงินได้นิติบุคคลสำหรับกรณีทีบริษัทหรือห้างหุ้นส่วนนิติบุคคลที่มีความสัมพันธ์กันได้มีการกำหนดราคา โอนของธุรกรรมระหว่างกันแตกต่างไปจากทีควรกำหนดหากบริษัทหรือห้างหุ้นส่วนนิติบุคคลดังกล่าวได้ดำเนินการโดยอิสระ เพื่อให้เป็นไปตามมาตรฐานสากลและหลักความเป็นธรรมในการจัดเก็บภาษี โดยการแก้ไขเพิ่มเติมประมวลรัษฎากร (เพิ่มมาตรา 35 ตรี มาตรา 71 ทวิ และมาตรา 71 ตรี) จึงจำเป็นต้องตราพระราชบัญญัตินี้

(通称)トランスファープライシング法の法的根拠:

現在、会社やパートナーシップ法人の中には、相互の資本関係や経営管理上の支配関係を持つ企業同士により、その関係を利用して商取引条件や財務上の取決めを操作するケースが続出している。もし、これを放置して自由に取引させてしまうと、市場経済において本来あるべき取引の形態を逸脱した、それらグループ企業間の相互利益操作による脱税が可能となり、これが継続的かつ大規模に行われると国家財政に甚大な影響を及ぼすこととなる。このような問題を防止するため、国税徴収の国際標準と道義に沿った国税法典の一部改正(第35条の3、第71条の2、第71条の3追加)を行うものである。

というわけで、これは法律改正ですので閣議決定・国会審議と可決成立・国王陛下の御名御璽というプロセスを経ていくわけです。この内容が読者各位にとって非常に重要と思われますので、当事務所としても、しばらくフォローして参ります。

 


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国税局通達

第Por.113/2545号

市場価格に基づき移転価格を定める場合の会社またはパートナーシップ法人の所得税納税

国税法典第65条に基づき会社またはパートナーシップ法人が所得税納付のために純利益を算出する際に、国税局職員が納税者に助言する、および調査する際の指針とするために、市場価格に基づき移転価格を定める場合について国税局は下記の通り通達する。

第1項 国税法典第66条および第76条の2に基づき、タイ国の法律に基づき設立された、または外国の法律に基づき設立された会社またはパートナーシップ法人は、国税法典第65条に基づき所得税納付のために純利益を算出すること。会計年度内に営んだ事業から、または事業に起因して生じた益金から、国税法典第65条の2および第65条の3に記載された条件に基づく損金を差し引く。

 第1段の益金および損金の算出は発生主義に基づき行う。会社またはパートナーシップ法人は、会計年度内に生じた益金について、当該会計年度内に支払いを受けたか否かを問わず当該会計年度の益金として参入する。また、当該益金にかかる損金についても当該会計年度内に支払いが行われたか否かを問わず、当該会計期間の損金とする。

第2項 第1項の会社・パートナーシップ法人が自身の契約相手と取引を行い、適切な事由なく報酬がない場合、もしくは市場価格よりも報酬が低い場合、または、第1項の会社・パートナーシップ法人が自身の契約相手と取引を行い、支払った金額が適切な事由なく市場価格より高い場合で、当該会社・パートナーシップ法人が法人税納税のために市場価格に基づく益金もしくは損金の調整を行わないとき、査定官は市場価格に基づき益金または損金を査定すること。

 第1段の「市場価格」とは、財産の譲渡、サービスの供与、または貸付を行った日において、相互に独立した契約両者が同一種類で同一形態の財産の譲渡、サービス供与、貸付を行う際に商取引において正当に定めるであろう報酬、サービス料金、または利息のことを指す。

「相互に独立した契約両者」とは、直接、間接を問わず管理、監督、または合資における相互関係のない契約両者を指す。

第3項 市場価格を求める際の損金または益金の算出は、下記のいずれかの方法で行う。

(1)独立価格比準法(Comparable Uncontrolled Price method):財産を譲渡するとき、サービスを供与するとき、貸付を行うときに、相互に独立した契約両者が同一もしくは類似条件の下で同一種類の財産の譲渡、サービス供与、貸付を行う際に商取引において請求する価格と比較する方法

(2)再販売価格基準法(Resale Price method):財産を譲渡するとき、サービスを供与するときに、販売者から商品、サービスを購入した購入者が相互に独立した契約相手である第三者に再販売する際の価格から適切な売上総利益を差し引いた価格を用いる方法

 適切な売上総利益とは、当該の商品またはサービスの原価に、同一の性質、種類、タイプの商品もしくはサービスを相互に独立した契約相手に譲渡する際に生じる売上総利益率を掛け算して求める。

計算例(略)

(3)原価基準法(Cost Plus method):購入者に対し販売する財産またはサービスの原価に適切な売上総利益を加えた価格を用いる方法

適切な売上総利益とは、当該の商品またはサービスの原価に、同一の性質、種類、タイプの商品もしくはサービスを相互に独立した契約相手に譲渡する際に生じる売上総利益率を掛け算して求める。

計算例(略)

(4)その他の方法(Other methods):報酬、サービス料金、または利息の市場価格を求める際の損金または益金の算出に(1)、(2)、(3)の方法が使用できない場合、財産の譲渡、サービスの供与または貸付に関連する商取引の現状に即して適切な、世界的に認められたその他の方法を用いる。

第4項 査定官の租税調査において、第1項の会社・パートナーシップ法人の第3項の市場価格を求める際の損金または益金の算出法について、査定官は、会社・パートナーシップ法人が取引の各段階において実際に作成し会社・パートナーシップ法人の事業所に保管している下記の証拠書類を検討すること。

(1)同一グループ内企業の関係および構造を示す文書 各企業の事業運営の性質、構造を含める。

(2)予算、事業計画、財務予想

(3)納税者の事業戦略を示す文書および当該戦略を採用する理由

(4)納税者の事業実績、売上高、同一グループ内の取引形態を示す文書

(5)同一グループ内で国際取引を行う理由を示す文書

(6)価格決定方針、各製品の収益性、マーケティングデータ、各事業の配当。業務の任務、関連事業ごとのリスク、財産、業務を考慮すること。

(7)当該価格算定方法を選択した理由を示す文書

(8)複数の価格算定方法の選択が可能な場合、(7)の方法以外のその他の方法の詳細を示し、その算定方法を選択しなかった理由を述べた書類。書類は、(7)の方法を選択した時点において作成された文書であること。

(9)同一グループ内の企業との取引において納税者の交渉の様子を示し基本的な原則を示す証拠書類に使用できる文書

(10)価格算定にかかるその他の文書(あれば)

 第1段の「同一グループ内の企業」とは、直接、間接を問わず管理、監督、または合資における相互関係がある会社・パートナーシップ法人を指す。

 第1項の会社・パートナーシップ法人が第1段の証拠書類を作成し、その書類が「会社・パートナーシップ法人の第3項の市場価格を求める際の損金または益金の算定方法が適切で正確である」ことを示すのに十分な詳細を含んでいる場合、査定官は当該会社・パートナーシップ法人の独立企業間価格算定法を用いること。

第5項 第1項の会社・パートナーシップ法人が自身の契約相手との何らかの取引において、事前に国税局と価格算定における覚書を作成したいと希望するとき、価格算定にかかる覚書に基づき会社・パートナーシップ法人が履行するべき規定、方法、条件を定めるため、会社・パートナーシップ法人は書面により価格算定の覚書作成申請書および関連書類を国税局長宛に提出すること。

仏暦2545年5月16日通達

Mr. スパラット クワッタグン 

国税局長

以上です

 


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川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)