ニュース 26号 (200407)

SME MULTI CONSULTANT ニュース 26号(200407)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策で非常事態宣言(200403~5更新分)、200403から夜間外出禁止:

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第1号」についてはSME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応していくこととなりました。

タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)では、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報発信を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200403タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ) https://www.youtube.com/watch?v=Jad8CEtbAtI

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです。200402までの分はSME MULTI CONSULTANTニュース25号をご参照下さい。

200403 タウィーシンCCSA報道官(医師):昨日(200402)プラユット首相から夜間外出禁止令が発令され、今夜から施行される。「自由に優先する健康」のためである。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者1,978人(うち新規感染103)、回復581人、治療中1,378人、死亡19人。アセアン諸国中、タイの死亡率0.96%は低い方だ。

200403 ウィサヌ副首相:CCSAが遂行中の三大対策の根拠法は「①医療活動」が伝染病法、「②防疫活動」が非常事態法(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令)、「③景気対策」が閣議決定と関連法である。伝染病法単独では限界があり、非常事態宣言(施行規則第1号、施行規則第2号)で補強している。施行規則第2号の柱は夜間外出禁止だ。国境封鎖ではない。国際物流は通常どおりだが、外国人の入国は200415まで極力制限する。ソンクラーンのイベントは全部延期済み。タイ航空は全便運行停止、外国航空会社は就航中。タイ人の入国も全員14日間の隔離観察を要するが、これは別途閣議決定したもの。では、施行規則第2号を説明する。第1項 タイ全国で22時~4時の6時間、夜間外出禁止。軍・警察の検問と巡回あり。違反者は非常事態法第18条により2年以下の禁固/4万バーツの罰金。例外となるのは、医療活動(患者と医療関係者)、銀行業務(現金輸送車)、物流(食品等の消費財・生花などの農作物・医療物資・新聞・燃料・貨物・輸出入商品)、伝染病法に基づく人の隔離観察のための移動、(工場等)交代勤務の通勤・帰宅、空港へ/空港からの交通。これら例外該当者が通行する際は、国民IDカード(パスポート)と所属先からの職務証明書を携帯すること(コピー提出または検問で撮影)。夜間外出禁止は6時間だが、8時間、10時間、12時間と伸ばす可能性がある。第2項は第1項の主旨の下、より厳しい条件の都県告示・通達が発令された場合、その条件に従う。例えば、政府の夜間外出禁止令は22時から4時までだが、バンコク都告示では0時から5時となっている。この場合、22時から5時までを意味する。第3項 タイから出国しようとする者の事前隔離観察は都県伝染病委員会の義務。この意味は、タイ国内の外国人出稼ぎ者(ミャンマー人、カンボジア人、マレーシア人等)が陸路で国境まで行ったが、向こう側の国境封鎖でタイから出国できない場合、国境がある県が責任をもって14日間の隔離観察することを意味する。14日後に向こう側の国境が解放されれば帰国できるし、封鎖されたままならタイ国内の住所に戻ればいい。実は、先行してヤラー、パッタニー、ナラティワート、プーケットとバンコクの各都県で夜間外出抑制を試行しており、時機をみて全国夜間外出禁止に踏み切った。なお、夜間には政府による消毒作業も行われる。

200403 ソムキット副首相:閣議決定により、「国民生活・企業活動支援」「経済社会支援」「金融施策」の三本柱で向こう6ヶ月にわたる経済対策を行う。
ウッタマ財務相:「国民生活・企業活動支援」では、農民向け支援策を追加する。社会保険加入者・非加入者向け支援は開始済み。ノンバンク融資の返済支援の追加策。「経済社会支援」では、新型コロナウィルス(COVID-19)対策費用の拠出、地域経済支援、公共事業への財政出動を推進する。
ウィラタイ中銀総裁:「金融政策」では、中銀・商業銀行の共同で、個人と中小企業の債務返済猶予措置と、企業のCOVID-19対策つなぎ融資を行う。また、2011年の中部タイ大洪水当時に中銀主導で行った大規模なソフトローンを今回の非常事態に盛り込むべく来週火曜日(200407)内閣に提起する。金融機関の体力は十分だ。一方、タイ証券取引委員会によると債券市場の残高が3.5兆バーツに達している。商業銀行の融資高総額14兆バーツと比べても債券市場の膨張が目立ち、不安定なCOVID-19情勢の中、機関投資家への影響を懸念。証取委と協議し、諸外国の中銀の前例を参考に、債券市場で中銀が優良企業の満期社債の一部を買い支える法令(中銀勅令)として内閣に提起する。中銀の財務体質は極めて健全であるため、2020年8月に予定されている中銀による預金残高保証限度額を百万バーツに減額する措置に対し、従来の五百万バーツでもう一年据え置くことを提案し、国民の不安を払しょくする。なお、1997年経済危機当時、中銀が商業銀行に貸し出した資金の返済利率も、向こう2年間(0.46%から)0.23%に下げ、商業銀行の貸出金利抑制を誘導する。

200403 ピヤ警察庁報道官:今後、バンコク都と隣接県の境界線上421ヶ所の検問で越境制限を強化する、特に夜間外出禁止の時間帯(例外は除くが、できる限り時間調整を求める)。また、各県の伝染病対策委員会が行う巡回指導に軍・警察官が同行し、防疫活動を支援する。夜間外出禁止時間帯の店舗営業も自粛対象。

200404 タウィーシンCCSA報道官(医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,067人(うち新規感染89)、回復612人、治療中1,435人、死亡20人。年代別では20代が感染拡大の中心。外国人では欧州人。帰国タイ人では欧州、パキスタン、インドネシアからの帰国者。昨夜のスワナプーム空港事件では、帰国したタイ人158人が隔離観察を拒否して大騒ぎとなり、隔離観察に応じた6人以外の152人をいったん帰宅させた。今、全員をあらためて捜索中。CCSAは毅然として国民の期待に応え、必ず帰宅者全員の身柄を確保する。出頭しない方は、申し訳ないが刑事訴追する。

200404 ダムロンサク警察庁長官補佐:夜間外出禁止令の初日、200403の22時から200404の4時までの6時間で記録した全国の検問通行車両7,598台(16,001人)のうち、違法通行車両は144台(177人)、悪質な44件を摘発した。

200405 タウィーシンCCSA報道官(医師):結局、スワナプーム空港事件では、いったん帰宅したタイ人152人全員が出頭し、都内のホテルで隔離観察となった。関係者にお礼申し上げる。今後は、帰国タイ人一日200人のペースで14日間の隔離観察を開始していく。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,169人(うち新規感染102)、回復674人、治療中1,472人、死亡23人。

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*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)


御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)