ニュース 28号 (200416)

SME MULTI CONSULTANT ニュース 28号 (200416)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策で非常事態宣言(200410~13更新分)、200403から夜間外出禁止:

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第1号」については SME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応していくこととなりました。

CCSAでは、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200413タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)
https://www.youtube.com/watch?v=YP_k__mUjK8

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです(200409までの分は SME MULTI CONSULTANTニュース27号をご参照下さい)。

200410 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,473人(うち新規感染50)、回復1,013人、治療中1,409人、死亡33人。追跡調査の結果、一月前に大量感染を起こしたムエタイスタジアムのクラスターがようやく沈静化してきた。代わって帰国タイ人が新たな感染源として浮上。致死率は欧米・イラン・トルコやインドネシアで非常に高いが、タイは1%台に抑えて世界56位、感染率でも世界43位、タイ国民の努力と忍耐の成果だ。せっかく褒めたところで警察からの情報、昨夜の夜間外出禁止違反摘発者は1,083人、一昨日よりはましだが、家族は若者の夜間外出をやめさせること。タイ人留学生等の段階的帰国とホテルでの14日間隔離観察、今日はオランダ、シンガポール、明日は日本、ロシア、その後米国と続く。ホテルの確保、医師、スタッフと大部隊で手厚くもてなしている。もうすぐソンクラーンだが、すべての行事は延期され、飲酒も自粛して、あらゆるリスク行為を避けること。文化省のガイドライン(水かけ禁止、集団行動禁止)を守ること。国民全員の安全と生活を守るため政府は各種施策を展開する。

200410 プラユット首相(CCSA代表):進捗状況を報告する。防疫医療面では社会的間隔(Social Distance)と在宅勤務(Work From Home)の推進。全国で百万人規模の地区保健ボランティア組織による防疫活動・隔離観察。N95マスク20万枚の医療機関に配給済み。同マスクの4回再利用技術を確立。官民合計で医療用マスク120万枚、一般国民用布製マスク5千万枚を配布済み。政府はマスク工場から末端までの流通管理を内務省(+郵政)主導で推進。マスクの買占め等あれば通報よろしく。日本と中国から治療薬ファビピラビル(アビガン)を187,000錠輸入済み、追加20万錠を調達手配中。患者受入れベッド数の拡充、首都圏では98ヶ所(ICUは80床)増設、全国の隔離観察施設は2万人収容規模で整備した。22時から4時まで6時間の夜間外出禁止令では千ヶ所以上2万人の職員を配置。200403~10で6,800人の違反者を摘発した。感染リスクを高めているあなた方のせいで、大多数の国民が大迷惑だ、自覚を求める。今すぐの外出禁止時間拡大は考えていない。政府は物資の流通監視面で、便乗値上げと買占めを重視、ここ4ヶ月間で価格上乗せ販売40件、価格非表示36件、不当価格操作75件、200204以降、マスクと消毒用アルコールを流通監視商品とし334件摘発、マスク270万枚、アルコール30万リットル、検査キット6万セット、検温器4千個を押収した(177百万バーツ相当)。

COVID-19に対する財政金融対策1兆9千億バーツ(GDPの一割)を進めていく。まず1兆バーツの国債発行勅令案の内訳は6割を、医療体制充実・国民生活支援・農家支援に、4割を経済社会復興、特に地域経済の強化と地区レベル基礎インフラ整備に充てる。一方、中小企業170万社向け、9千億バーツの中央銀行の金融政策勅令案の内訳は、5千億を新規ソフトローンに宛て、商業銀行・ノンバンクによる中小企業向け既存融資では6ヶ月間の利息支払い猶予措置をとる。また4千億を金融機関安定策に宛て、民間投資信託の買い支えを行う。さらに、2020年度通常予算を一割組み替え、COVID-19、干ばつ対策に回す。6月の国王陛下御名を目指す。

医療人材の育成強化に取り組む。さらにタイ式(薬草等)医療も並行させる。4~6月分の電気代一部無料(5A以下のメーターで最初の90単位まで)と4~6月分の電気代支払い6ヶ月猶予(5A以下のメーター)では640万世帯の負担減となる。社会保険の失業給付面でもCOVID-19特例措置(臨時休業時の給付)を決定、さらに解雇された(のに解雇補償金等が支払われない)労働者向けの労働者福祉基金活用も。なお、閣議決定前の情報を拡散する者により、多くの国民が混乱させられている点を懸念。海外からの入国者による感染経路対策として、200418まで空路入国を強く制限している。入国者の14日間の隔離観察を実施中。偽ニュース・情報操作では昨日だけで26件を摘発した。既に100日となった政府のCOVID-19対策が、国民各層の尽力と忍耐により、諸外国よりも良好な成果が出せていることは誇っていい。医師・タイ式医学の医師、看護師、医療技術者、保健所職員、百万人の地区保健ボランティア、文官公務員、軍警察、すべての関係者へ、タイ人はタイ人を見捨てない。7千万タイ人の団結に感謝する。タイは必ず勝つ。

引き続き、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第3号(200410施行)」の朗読。

「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第3号(200410施行)」のポイント:

第1項 200402付け「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第2号」の第1項(タイ全国で22時~4時の夜間外出禁止)の例外事項を廃止し、右のとおりとする。(1)他の法律に基づき公務を行う公務員・軍警察、民間人、(2)患者と医療関係者、(3) 物流(消費財・農作物・医療物資・新聞・燃料・貨物・輸出入商品)、(4) 伝染病法に基づく人の隔離観察のための移動、空港・バスターミナルまで/からの許可された交通、(5)身寄りのない者の保護者・ガソリンスタンド・商品食品運搬業・電気上下水道石油ガスの管理業・ごみ収集業・電気通信業・銀行・証券・保険・救助・災害対策・事故対応等の市民生活サービス、公務員・警察への連絡、(6)公務・民間・工場・警備・漁業・ゴム園・動物飼育等の夜勤、(7)所管の公務員から特別許可を得た者。通行の際は国民登録証、雇い主(または区長・村長)からの業務証明書・通行理由書を検問で提示し、体温測定。

第2項 上記第1項(1)~(6)の主旨の下、都県知事は類似の業種を例外として追加指定できる。

第3項 刑法上の財産犯、道路交通法、麻薬覚せい剤取締法、賭博取締法、伝染病対策法、本勅令9条に対する違反者の取り締まりを徹底する。

200411 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,518人(うち新規感染45)、回復1,135人、治療中1,348人、死亡35人。世界の死者合計10万人を突破、これが疫病の恐ろしさだ。タイは新規感染者が増加から減少に好転してきた。タイではマスク着用のお蔭で一般のインフルエンザも抑え込めている。夜間外出禁止令の違反者も微減傾向。入国管理局の外国人に対する特例措置①海外から帰国できないタイ永住許可者の帰国期限(通常は一年以内)の延長、②ノンイミグラントビザ・ノービザ30日滞在者の出国期限の当面延長と90日届の猶予、③(近隣国)ボーダーパス所持者の出国猶予(国境閉鎖が解除されたら7日以内に出国義務)。160万人の外国人が移動しないよう配慮。医療用マスク14.4百万枚の全国配給は内務省郵政により11.5百万枚を送達済み。入院治療後の回復者からの献血を促進、回復者の血漿を重症患者の治療に活用している。

200412 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,551人(うち新規感染33)、回復1,218人、治療中1,295人、死亡38人。タイの新規感染者は4日連続で減少。夜間外出禁止令の違反者も徐々に減少。ソンクラーン期間中の自粛事項はソンクラーン行事、年配者への水かけ儀式、帰省、イベント等集団行為。推奨事項は(社会的間隔を取った上で)家庭の仏像水かけ儀式、年配者への挨拶(遠隔地の場合、電話・SNS)。若者から年配者への感染を防ごう。水はCOVID-19の感染媒体となり得る。

200413 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):ワチラロンコン国王陛下の御声明「このような事態でのソンクラーンですが、公務員・国民各層の献身的尽力と一致団結によりCOVID-19危機を必ず乗り切れると確信しています」。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,579人(うち新規感染28)、回復1,288人、治療中1,251人、死亡40人。新規感染者は5日連続で減少。感染者が発病後、病院で検査したのは3日以内が45%、7日以内が27%、7日超えが28%。病院に来るのが遅い。一人が170人以上に二次感染させた事例もある。医療関係者の感染者数は200408時点で80人。社会的間隔、マスク着用、在宅勤務等の対策は続行。ソンクラーンで気が緩むが油断禁物、酒席は厳重自粛。

—————————————

*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)


御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)