ニュース 30号 (200421)

SME MULTI CONSULTANT ニュース30号(200421)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策で非常事態宣言、200403から夜間外出禁止(200417~19更新分):

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第1号」については SME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応しています。CCSAでは、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200419タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)
https://www.youtube.com/watch?v=R65q8XDofm0

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです(200416までの分はSME MULTI CONSULTANTニュース29号をご参照下さい)。

200417 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,700人(うち新規感染28)、回復1,689人、治療中964人、死亡47人。タイ全国77都県のうち、この14日間の新規感染者ゼロが27県に増加、さらに今まで新規感染者皆無も9県。新規感染者減少を受けて、タイ国内の営業自粛規制緩和を検討中で来週中にまとめる。例:理髪店では、洗髪と散髪だけは客一人あたり二時間以内で営業解禁の方向。待合い椅子は使用禁止。客は外で待ってもらい、順番が来たら電話で呼び出す。洗髪台と散髪台は1メートル以上開ける。化粧やネイルケアはダメ。ハサミなどの道具は客一人毎に消毒洗浄。床は常に毛髪を掃き掃除して消毒洗剤で拭き掃除する。スタッフ全員マスク着用し、常に手を洗う。客もマスク着用し、アルコールで手を消毒させる。夜間外出禁止令、違法外出や感染危険行為が多いチョンブリ県や首都圏各都県は、新規感染者多発都県と一致している。油断せず守りを固めることだ。

200417 プラユット首相(CCSA代表):タイの新年ソンクラーンおめでとう。今年は特別な新年。何よりも家族の大切さを実感した。両親夫婦子供・・、タイは大家族社会だ、その家族がCOVID-19危機にさらされている。70万人のタイ人大家族同士で助け合う時が来た。COVID-19危機は先進国、途上国、大国、小国の区別なく襲ってきている。タイ政府としては、全ての省庁を挙げて防疫医療対策、国民生活維持の両面で総力戦を繰り広げているところだ。まさにこれは戦争だ。政府だけが戦っても限界がある。ここは国家全体で補完しあって戦に備えるべきと考える。民間には政府の不足を補って余りある逸材が大勢おられる。このCOVID-19危機は、恐ろしく甚大で複雑だ。国家もろとも一丸となって立ち向かわなければ敵わない。そのためにはタイ国民全員の団結とともに、各界の優秀な人材の献身がぜひとも必要だ。最前線で命を懸けている医療従事者と防疫従事者を援護できるのは、政府機関・大学・研究機関・民間企業・財閥・国民各層の本気の集結だ。既に各位が個別に貢献を始めていることは知っている。私はさらなる協力を求める。まず、来週はタイ国内の財閥上位20人に対する協力要請状を差し上げる。各位は世界的な富豪、タイ社会の重鎮である。タイ社会のためにできる方策を提案していただく。タイ人の困窮は各位の痛みでもあるからだ。各位からの分配や各位の持つ効率的組織の有効活用が助けとなろう。さらに、民間企業、中小企業からも専門的知見を集約していく。私自身で各位と直接話す、真実をあぶり出すためだ。同時に、各位からの意見により政府機関の対策を改善、効率化していく。各位の意見や提案を聞いて、対策に生かしていく。皆さんの意見は様々だが、愛国心は共通であると信じている。政治的対立のないタイ大家族社会の共同作戦でCOVID-19危機に必ず勝つ。

200418 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,733人(うち新規感染33)、回復1,787人、治療中899人、死亡47人。タイ全国77都県のうち、この14日間の新規感染者ゼロが29県に増加、さらに今まで新規感染者皆無も9県。ウィルスは国籍、宗教の区別なく襲ってくる。感染者の致死率は1%台をキープ。ソンクラーン期間中の交通事故は大幅に減少。交通事故死者数は例年の500人前後から、今年は150人となった。夜間外出禁止や県境検問の効果大。仏教寺院などで炊き出し運動が盛ん、助け合いの美徳が生きている。その際、社会的間隔は保持することが大切。

200419 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,765人(うち新規感染32)、回復1,928人、治療中790人、死亡47人。3日連続死者ゼロ。タイ全国77都県のうち、この14日間の新規感染者ゼロが33県に増加、さらに今まで新規感染者皆無も9県。世界の死者は16万人、日本の感染者数は1万人を突破。帰国タイ人の受入れ(14日間隔離観察)は本日、オランダから27人、米国から162人、バーレーンから74人だ。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出、感染危険行為ともに減少。COVID-19対策実施で社会生活が制限されており、防疫も大事だが生活維持も大事だ。非常事態宣言は現時点で200430までとなっているが、まだ毎日30人程度の新規感染者が出ている。国民の90%が参加しなければ、新規感染を抑えることはできない。非常事態宣言が延長されるかどうかは国民の協力次第だ。また、回復者に対する偏見を持たないようお願いする。回復者は抗体を持つ血漿提供者となり、後続感染者治療の大きな力になっているのだから。

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*当事務所の対策状況:
コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。
お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。
しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

*お知らせ:
当事務所では在タイ日系企業向けに、弁護士による社会保険(失業またはCOVID-19による一時帰休)補償給付申請の相談/支援業務を行っております(有料)。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)


御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)