ニュース43号(200629)

SME MULTI CONSULTANT ニュース43号(200629)

SME MULTI CONSULTANT ニュース43号(200629)タイ法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回送信します。バックナンバー http://www.thaibiz.jp/?page_id=2551

タイ政府がコロナ対策非常事態宣言を200731まで継続(夜間外出禁止令は200514午前3時で解除済)、規制緩和第4期実施中。 第36回アセアンサミット開催(200620~200626更新分):

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行された「(タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「施行規則第1号」についてはSME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。また、200630まで非常事態宣言(+夜間外出禁止令)が延長された際の「施行規則第8号」についてはSME MULTI CONSULTANTニュース39号をご参照下さい。

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)では、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200626 タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです(200619までの分はSME MULTI CONSULTANTニュース42号をご参照下さい)。

200626    36回アセアンサミット(議長国ベトナム、テレビ国際会議)でのプラユット首相演説:4月のアセアン+3特別サミット以来、アセアン諸国のCIVID-19危機に対する具体策が効果を上げており、タイにおいても徐々に収束しつつある。タイ国内新規感染者ゼロを一ヶ月以上にわたって達成し、この間に発生した新規感染者は全員が入国検疫中の海外帰国者であった。タイ政府は200615より経済活動・社会生活規制を緩和したが、同時に公衆衛生対策、社会的間隔保持、各種施設の出入り行動追跡記録アプリである「タイチャナ(タイの勝ち)」からなる第二波感染拡大防止策も徹底して行っている。我々は、新しい生活様式にも対応しつつ、世界中の政治社会混乱すなわち超大国間の対立、ナショナリズムの急激な台頭、反グローバリゼーションの潮流に直面している。これは国家間の安定的関係を揺るがせ、多国間協調主義を脅かすものだ。アセアンは結束してこれに対抗し、地域協調主義を形成・強化し、世界レベルの支援を推進していくべきである。アセアン各国が力を結集し、地域の主軸たる地位を維持し、超大国の介入に対してどちらの側に付くことも強制されず、むしろその橋渡しの役割を担っていく。インド太平洋に対するアセアンの立場を堅持して利益を最大化し、アセアンの陸海空の平和と安定を守っていくため、アセアン50年の創設趣旨に基づき、協議と交渉による域内の持続的経済発展を目指して行きたい。ここでポストCOVID-19時代に向けた三つの提案を行う。

①「MPAC 2025 (ASEAN連結性マスタープラン、ASEAN 2025)」の推進によるアセアンの連結性を強化するとともに、連続的な緑地帯で繋がるアセアンとして持続的な発展ができるように開発する。また、アセアン加盟国間の人の往来規制については、感染防止の公衆衛生基準を達成した加盟国同士で往来協定を締結し、徐々に域内人流を回復していく。

②アセアン経済を内側から総合的に強化するため、年内に「RCEP(東アジア地域包括的経済連携)」締結にこぎ着け、アセアンの経済回復を加速するとともに、生産拠点と一大市場を兼ねたアセアンの魅力向上を図る。また、経済発展のカギとなるアセアンのデジタル経済価値が今後10年で1.3兆ドル増となることを見据え、基礎インフラ投資促進と人材育成、科学と技術革新の普及を促進し、新規の経済的利益確保と産業生産コストの低減に繋げていく。さらにアセアンが生物多様性に恵まれた強みを生かし、BCG(バイオ・再生・緑の自然)経済モデルに基づく環境にやさしい製品を作り出すための技術革新に注力しなければならない。

③長期的な混乱や危機に備えるアセアンの免疫力増強プロジェクト策定を議長に提案する。これまでもアセアンは相互扶助の精神で各種の支援プロジェクトを展開してきた、その延長線上で公衆衛生面、特に健康維持の担保として、アセアン基金の活用によりワクチンを開発すれば皆が安価で平等に入手できることだろう。その印としてタイは10万ドルを寄付する。また、並行してアセアンにとって有利な食糧安全保障・安定確保策を採れば、域内住民の教育機会均等や労働力の技能向上にも繋がるので、時代の急激な変化に追いつくというアセアンの理念にも合致する。さらに、重要事項である人権問題への共同の取り組みにおいてタイでは既に、人身売買、破壊活動、国際犯罪、サイバーテロ、不法入国、麻薬覚醒剤、違法漁業操業に真摯に取り組み、地域の平和と安定に貢献している。また、タイでは「足るを知る経済原理」を励行している。これは「ほどほどで充足し、道理を通し、免疫力をもって持続的に発展する社会基盤」を育成する思想である。この中に、アセアンの社会基盤が従来より強くなれるヒントがあるので、アセアン持続的経済成長研究センターを通じて成功事例をご紹介していきたい。

今回のCOVID-19危機で顕著だったのは、アセアン域内の人々が相互扶助の精神で助け合ったことだ。特に、社会的弱者とされる外国人労働者の保護や帰国支援では、タイ人労働者が大変お世話になった、加盟各国に厚くお礼を申し上げる。また、タイ側もタイ国内に滞在中だった合計18,000名以上のミャンマー、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナム、シンガポールへの帰国支援を差し上げた。

我々の急務はCOVID-19収束に向けて、停滞中の諸問題への対応策を進めておき、収束と同時に交流が正常化できるよう準備しておくことだ。アセアン共同声明は私も快く承認させていただくし、タイとしてアセアンの緊密な協力関係の安定的存続、そして内外の多国間協調関係への協力と危機への対応に尽くしていく所存である。アセアンは加盟国の国民のためのアセアンであり、皆一緒に進んで行く、誰かを見捨てて進むことはない。我らアセアンは将来の世界の経済社会における重要な原動力となることだろう。サワディークラップ(=タイの基本的な挨拶で「平安を祈願」の意)。

200622           タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):
タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は累積感染者3,151人(うち新規感染3人、全員インドからの帰国タイ人、28日連続でタイ国内感染ゼロ)、回復3,022人、治療中71人、死亡58人。累積感染者内訳は、首都圏1,757人、中部444人、南部744人、北部95人、東北部111人。全世界累積感染者数904万人(タイは3,151人で92位)、死者数47.0万人。日本のNikkei Asian Review紙が、タイのコロナ対策の成功の秘訣が人口10万人当たりの感染者数0.2人の時点から本格的な感染防止対策に着手していた点であったと指摘(英国では0.76人、ニューヨークでは4.25人の時点で着手していた)。

200622           ワラーチット教育相顧問:
200701からタイ全国の学校が新学期として授業を再開する。今年度の一学期は200701~201114二学期は201201~210410、前年度比で20日減少。20項目からなる全国共通の保健衛生基準を設定して徹底する。中でも社会的間隔保持が困難な大規模校の場合、交代制やネット授業でカバー。また、幼児のお昼寝はマスクが付けられないので5メートル間隔で寝かせ、足側を向き合わせて頭は外側に、等々。

200624           タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):
外国人入国規制の段階的緩和措置の第一段階は、①(本日閣議決定済み)入国後の14日間隔離観察付きで登録済みの実業家・投資家700人。

第二段階は、200701実施を目指す②技能者・専門家15,400人、③タイ人の家族または永住許可取得者2,000人、④教員・留学生2,000人、⑤医療・療養ツーリズム利用者30,000人。⑥短期滞在の外国人実業家・投資家に対する緩和措置を検討中(10万ドル以上の海外旅行傷害保険、外国から出発前のPCR検査、タイ到着時のPCR検査、タイ国内活動中、タイ厚生省当局者による監視付き等)。

第三段階は、200801の実施を目指す、トラベルバブル相手国からのVilla検疫(リゾートホテルでの隔離観察)付き渡航者・観光客等受入れを検討中。一方、完全なトラベルバブルは、感染防止の公衆衛生基準を達成できた国家地域同士で往来協定を締結した上で、協定締結国間での“隔離観察免除の相互出入国”となるため、実現には極めて慎重な検討を要する。実際問題として、候補国中国では北京で感染拡大が発生中。豪州やNZでも国内感染再発あり。

200626           タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):
タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は累積感染者3,162人(平均年齢39歳、うち新規感染4人、スーダンとアラブ首長国連邦からの帰国タイ人、32日連続でタイ国内感染ゼロ)、回復3,040人、治療中64人、死亡58人。累積感染者内訳は、首都圏1,760人、中部452人、南部744人、北部95人、東北部111人。全世界累積感染者数971万人(タイは3,162人で94位)、死者数49.1万人。

*非常事態宣言の200731までの延長と、200701施行予定の規制緩和第5期(バー・カラオケ・風俗産業等の営業再開を含む)の情報は次号に掲載します。

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*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応は「テレビ会議(Web会議)・eメール・電話・ビジネス宅配便のみ」とさせていただいております(対面式の会議は非常事態宣言解除までの期間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)

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御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)