ニュース46号 (200728)

SME MULTI CONSULTANT ニュース46号(200728)

SME MULTI CONSULTANT ニュース46号(200728)タイ法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回送信します。バックナンバー http://www.thaibiz.jp/?page_id=2551

タイ政府がコロナ対策でVIP外国人入国時優遇を見直し規制緩和第5期施行中、非常事態宣言200831まで延長へ:

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)では、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のユーチューブ等SMSのビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200724 タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)

200719       タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):

当面は、タイ人・外国人を問わず、入国時に全員が14日間の隔離検疫対象となる。安全で衛生的なタイをPRしていく。

タイ入国を希望する外国人向けASQ(Alternative State Quarantine: ホテルでの隔離観察)対応ホテルの登録情報とサービス情報は、タイ厚生省健康サービス支援局COVID-19緊急対応センターのウェブサイトで公開している。

(訳者注: 200728現在、タイ全体では29ホテルが3,246室を、うちバンコクでは25ホテルが3,035室を提供中)

200721       ラチャダー副報道官、トライスリー副報道官: 閣議決定発表記者会見で

先週、プラユット首相はスィーサケート県のモデル農場を視察、スマートファーマー達と意見交換を行った。ポストCOVID-19時代には、タイが生物多様性に恵まれた強みを生かし、BCG(バイオ・再生・緑の自然)経済モデルに基づき、環境にやさしい製品を作り出すための技術革新を推進していく。

以下は閣議決定:

*農業省、2022年末まで公的水域での養殖漁業許可料を免除。

*工業省、210430まで工業製品に関する許可料を免除。

*COVID-19復興予算(国債)による雇用創出3プロジェクト、①高齢者介護助手養成(内務省地方自治振興局で1,080百万バーツ)、2020年7月から2021年9月までに15,548人を養成、②タンボン(行政区)総合開発調査企画(内務省統治局で2,701百万バーツ)、一区に2人ずつ大卒の調査企画員を14,510人配置、③森林火災監視(天然資源環境省国立公園動植物局で247百万バーツ)、2020年7月から2021年5月まで監視員を9,137人配置。

*基本構造強化のための資本市場設立に向けたタイと米国の財務省による共同推進計画草案を閣議で承認。基本構造とは①債券市場資金流動性の確保、②新規金融システム開発による民間投資喚起、③国別ケーススタディ情報の共有化による持続的技術革新、④金融技術向上のための共同作業。今後、専門家によるワーキンググループによる共同作業となる方向。このような取組はタイにとっては初だが、米国は既にシンガポール、韓国、ベトナムと実行中。

*退任した6閣僚が決まるまでの暫定人事は、①ソムキット副首相→ウィサヌ副首相兼任、②首相府相→プラウィット副首相兼任、③財務相→財務副相兼任、④高等教育・研究開発技術革新相→教育相兼任、⑤エネルギー相→ウィサヌ副首相兼任、⑥労働相→社会開発・人類安全保障相兼任。

*ビザなし外国人の暫定滞在許可期限を200731から200926に延長(警察庁入国管理局)。

*200724にチェンマイ県メーテーン市をメイン会場に、王室・天然資源環境省・内務省主催で「全国一斉植樹・森林火災防止大会」を実施。

*OECDの化学物質の試験に関するガイドライン完全準拠を決定。今後、化学物質試験室を国際基準に適合化、その際、OECDから指導を受けることとなる。その結果、医薬品・ワクチン・サプリメントの試験がタイ国内で実施可能となる見通し。

200722       ソムサック国家安全保障会議事務局長:

非常事態宣言を200831まで延長する方針である。理由は①世界で一日あたり20万人規模で感染拡大中であること、②その中でタイは徐々に外国人を受け入れていかねばならぬこと(隣国からの労働者、外国人の会議・商品展示会、映画の国際ロケ)、③非常事態宣言なしでも統合的防疫・感染拡大防止措置ができるよう伝染病法を改正するのに時間を要すること。

200724       タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):

200710にラヨーンで発生した「感染エジプト軍パイロットの勝手な外出事件(翌日帰国)」に対し、CCSAが二次感染監視を続けてきて今日で14日目だ。ラヨーン市民7千人のPCR検査結果も、感染リスク者12人の二度目の検査も全て陰性であり、二次感染が発生しなかったことが証明できた。同じくスーダン少女の件も二次感染なし。今後もマスク着用・手洗い・社会的間隔保持を辛抱強くみんなで続けていこう。

タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は累積感染者3,279人(うち新規感染10人:全員タイ人でパキスタンから1人、ドイツから1人、スーダンから1人、オランダから1人、ハワイから帰還兵士6人)、回復3,107人、治療中114人、死亡58人。累積感染者内訳は、首都圏1,803人、中部526人、南部744人、北部95人、東北部111人。全世界累積感染者数1565万人(タイは3,279人で104位)、死者数63.6万人。

世界保健機関(WHO)がタイとニュージーランドをCOVID-19対策のモデル国としてビデオ取材することになった。また、ブルームバーグがCOVID-19対策のベストランキングを①台湾、②ボツワナ、③韓国、④タイ、⑤中国と発表した。

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*タイ政府のコロナ対策概要(200728更新):

2020年1月以降の新型コロナウィルス(COVID-19)危機の中、タイでは首相・主要閣僚・公衆衛生学専門家と各省庁局長クラスが中心となってCCSAコロナ対策本部を設置、人口10万人あたり感染者0.2人の時点で、200326非常事態宣言を発令して40以上の法律を統合運用し、徹底的な対策(防疫・感染防止・治療)に着手しました。タイ政府は通常予算の組み替えに加えて1兆バーツのCOVID-19対策国債を発行し、その6割をCOVID-19直接対策(防疫・感染防止・治療)に、4割を経済復興に充てて各種プロジェクトを推進中です。別途、タイ中央銀行も9千億バーツの金融政策(5千億バーツの中小企業向け新規ソフトローン等+4千億バーツの金融機関安定策)を採っています。非常事態宣言(+夜間外出禁止令)が功を奏して感染爆発防止に成功した200503からは段階的に「国民の経済、社会、安全保障の負担を軽減するための規制緩和措置」を進めてきており、タイ国内では国内感染者ゼロ記録を更新し続け、7月上旬時点で第5期まで規制緩和が進み、順調なら追加の緩和(トラベルバブルの実施等)に進む計画も出されました。しかしながら、懸念される二次三次の感染拡大に対処していく予算上の余裕がないタイ政府は、外国人の入国につき苦肉の策で「経済復興に役立つ人材を優先的に入国させる」ため、第5期緩和でVIP外国人優遇枠を設定した直後、200710にラヨーンで発生した「感染エジプト軍パイロットの勝手な外出事件(翌日帰国)」などの事件が裏目に出てしまい、200714の閣議でVIP外国人枠は廃止され、外国人全員に14日間の隔離検疫が義務付けられました(ラヨーン県では200校以上が臨時休校、またホテルの予約キャンセルなど被害が拡がりましたが、幸い二次感染は発生せず無事14日間が経過しました)。なお、現時点では入国規制措置により、1万人を超える日本人ビジネスマン(200703タイ外務省発表)のタイ入国に遅れが生じています。200728現在、日本発タイ行き特別便の渡航手続きは非常に複雑で、「ASQ対応ホテル予約の上、タイ大使館領事部・領事館に関係書類一式をeメール提示し、OKがでたら指定搭乗機の航空券を予約して、予約便名をタイ大使館領事部・領事館に報告するとCOE(入国保証書)が発行されて(またPCR検査して)、ようやく搭乗・・」という流れになっています。

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*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応は「テレビ会議(Web会議)・eメール・電話・ビジネス宅配便のみ」とさせていただいております(対面式の会議は非常事態宣言解除までの期間、原則として自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることとなり誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)

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御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)