icon-anchor 日本における研修、技能実習制度の改正について

 2009年7月に入管法(略称)が改正され、2010年7月1日から施行された。それに伴い、従来の「研修」と「技能実習」が大きく変わったので、法務省入国管理局が2009年12月に発表した「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」その他を参考にして改正の概要を紹介したい。

 研修生と技能実習生の受入れは、団体が受入れるものと(団体監理型と称される)、個々の企業が受入れるもの(企業単独型と称される)の2種類あるが、ここでは企業単独型に絞って説明する。

 従来の制度は、まず、6ヶ月から1年間「研修」の資格で在留し、1年間の研修が終了後技能検定基礎2級に合格して、在留資格も「特定活動」となり、技能実習を最大2年間受けることになっていた。そして、1年目の研修期間中は日本の労働法は適用されず、2年目以降の技能実習を受けるときから労働法が適用され、雇用契約を締結していた。

 今回の改正では、「研修」の在留資格はJICAなど公的研修に限られ、一般の場合1年目から新設の「技能実習」の在留資格が与えられることになった。そして、1年目の当初講習期間中(後述)を除き、雇用契約を締結して、日本の労働法(最低賃金制度、労災など)に従うことになる。従来の研修では、労働ではないとして労働法は適用されなかったが、改正後は、当初講習中を除き、労働者として扱われることになった。

 「技能実習」の在留許可は以下のように4つに区分されている。

 「技能実習1号イ」(イは企業単独型の場合で、団体監理型の場合はロとなるので後述の2号と合わせて4つの活動に区分される)、2年目、3年目は「技能実習2号イ」となり、「技能実習1号」から2年目の「技能実習2号」へ移行する場合は、従来と同様技能検定基礎2級に合格する必要がある。

 「技能実習1号」で、企業の現場で実習を始める前に1号による期間の6分の1以上の期間の講習を行うことになっており(技能実習1号による期間が1年である場合は2ヶ月)、講習の内容は日本語、日本での生活一般に関する知識、技能実習生の法的保護に必要な情報(入管法、労働関係法令を含むこと)、日本での円滑な技能の習得に資する知識と定められている。この講習を受けたのち、雇用契約を締結して技能実習に移行することになっている。ただし、来日前に6ヶ月以内に1ヶ月以上の期間をかけて160時間事前研修を行った場合、講習は12分の1以上に短縮される。

 以上、改正の概略だけ述べたが、今回の改正の目的は従来、特に団体監理型において、実習現場で不正が多数行われていたという反省に基づくもので、研修・技能実習の名を借りた低賃金による酷使、暴行・脅迫・監禁、旅券の取上げ、賃金等の不払い、保証金の徴収、雇用契約違反など不正防止の対策が盛込まれ、団体の監理責任は最初の1年間のみならず、全期間(最長3年)にわたり問われることとなった。

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