タイの従業員の定年延長/定年後の再雇用の正しい労務管理
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定年の定めと、合意がない場合の取り扱い
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タイの労働者保護法は、従業員の定年について55歳または60歳以上など、使用者と従業員間で自由に定める機会を与えています。
ただし、雇用契約または就業規則で明確に合意する必要があります。
合意がない場合、または60歳を超える年齢に定めている場合、第118/1条に基づき従業員は満60歳以上のとき定年退職を申請することが可能です。
従業員が定年退職する場合、使用者は第118条に基づき解雇補償金を支給する義務を負います。
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解雇補償金(第118条)の日数目安
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| 勤続期間 | 支給日数(以上) |
|---|---|
| 勤続120日以上1年未満 | 30日分 |
| 勤続1年以上3年未満 | 90日分 |
| 勤続3年以上6年未満 | 180日分 |
| 勤続6年以上10年未満 | 240日分 |
| 勤続10年以上20年未満 | 300日分 |
| 勤続20年以上 | 400日分 |
③
55歳定年が多い背景と、よくある質問
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タイのほとんどの使用者は仏暦2533年社会保険法に基づく老齢年金申請の時期に合わせ、就業規則で定年を55歳と定めています。
このため多くの事業所から満55歳に達した従業員の雇用継続に関する質問が上がっています。
「満55歳に達した従業員の雇用を継続することは可能か」、
「雇用を継続する場合、解雇補償金の支給時期は定年退職時か、それとも再雇用契約満了時か」、
「満55歳の時に支給した場合、満了時にも再度支給が必要か」など。
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裁判例が多い理由と、実務上の注意点
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第118条および第118/1条では定年退職後の再雇用と解雇補償金支給について明確な定めがないため、労働裁判所に数多くの訴訟が起こされています。
その結果、労働特別裁判所・最高裁判所の判決により使用者に対する指針が示されています。
再雇用については、雇用契約の作成、就業規則の整備、解雇補償金支給の手順など、各種手続や管理を正確に行う必要があります。
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要検討事項(チェックリスト)
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要検討事項も下記のとおり多岐にわたっています。
- 就業規則で定めるべき定年(55歳/60歳)
- 法律に抵触しない再雇用契約作成の注意点
- 再雇用後の減給、福利厚生手当の不支給の可否
- 解雇補償金の支給時期(定年時/再雇用契約満了時)
- 再契約後の重大な違約による解雇に、解雇補償金が必要か
- 法律に抵触していた場合の刑事罰、民事訴訟の可能性
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