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タイにおける税務上の減価償却

1.タイにおける減価償却の特徴

(1)対象償却資産の分類が非常に大まか
例えば建物、その他の設備(機械はこの分類に入る)など

(2)償却資産の最低価格が法で定められていない
通常、取得原価2千バーツ以上としたり、1万バーツとしたり、企業によりばらばら

(3)耐用年数表がない
その代わり年間償却限度額が定められている。例えば機械(その他に分類)は年間償却額限度は取得価格の20%以内と定められている。これを定額法毎年20%で償却すれば耐用年数は5年ということになる。定率法であれば年によっては償却額が20%を超えることがあるが、5年以上で償却すればいいことになっている。

(4)償却限度額
タイの税法では、過去の日本のような法定残存価格、税法上の償却限度額の制度はないので(日本では2007年度からなくなった)、100%償却可能であるが、同勅令8条によりゼロとすることはできないので1バーツの備忘価格を残すことになる。残存価格については税法では規定がない。
償却資産の価格については、日本のように一定金額以下の償却資産は取得年度で一括費用化する制度はないので、小額のものも償却しなければならないという不便さがあるが、各企業が適宜限度額を決めて償却しているのが実態である。

(5)減価償却の詳細は勅令で定められている
勅令とは、内閣で定め国王の署名により国会を通過した法律と同様の効果をもたらす。

(6)年度途中に取得したものは日割り計算で償却

2.通常の減価償却
これは法典とは別途「1984年減価償却に関する勅令145号」により、その対象、償却方法が定められている。
減価償却資産の種類の主なものと、その年間償却限度額は次の通り。

1)建物  恒久的建物         年間     5%
*中小企業(定義は下記)の工場については下記3を参照

2)一時的残物             年間     100%

3)天然資源で将来消滅するもの     年間      5%

4)機械・設備             年間     20%(下記の例外あり)

ただし、10人乗り以下の乗用車は、100万バーツまでしか償却することができない
1999年にこの勅令の4条が改正され、同年10月23日から、定率法と似た倍額定率法(Double Declining Balance Method)が認められている。ただし、10人乗り以下の乗用車には適用されない。

5)著作権、特許権、商標権、のれんなど権利
年間10%または期限がある場合100割る期限年数

6)R&D用機器
取得した日に40%を償却し、残りは年間20%を限度として償却(下記5を参照)

7)コンピュータ、周辺機器、ソフトウエアー
取得日から3会計年度にわたり、一般に妥当と認められた方法により償却
2008年8月7日以降に取得したものから適用

3.中小企業の特例
*中小企業の定義は、土地を除く固定資産が2億バーツ以下で、かつ従業員が200人
以下をいう。

1)工場建物は取得日に25%を償却、残りは年間5%以内で償却

2)機械、設備は取得日に40%を償却、残りは年間20%以内で償却

3)コンピュータ、周辺機器、ソフトウエアーは取得日に40%を償却、残りは取得日から3会計年度以内に、一般に妥当と認められた方法により償却

4.償却の方法
上記2の通常の償却の場合、定額法を用いて毎年限度額一杯まで償却すれば、機械・役備は5年で償却が終わる。同勅令4条2項によれば、一般に妥当と認められた会計基準に従って償却する場合、年間償却額が上述の限度額を超えてもよいが、償却年数は100を年間限度額で割った敷より少なくてはならないと定められている。つまり、機械であれば償却方法により20%を超える年度があってもいいが、5年に満たない年数で償却を終えることはできない。一般には定額法が多い。

5.R&D用機械、設備の特別減価償却
税法上の減価償却については、国税法とは別に減価償却に関する勅令145号が出されているが、その4の2条においてR&D用機械、設備の減価償却に関する定めがある。この4の2条は1998年に追加された条文で、1998年4月23日から施行されている。

(1)減価償却の方法
取得時に原価の40%を償却、残りの部分については通常の通り、年間取得原価の20%を越えない金額を償却することができる。定額法であれば、残りの60%を5年で償却することができる。
ちなみに、一般の機械、設備については毎年所得原価の20%以内、ただし、一般に妥当と認められた会計慣行で償却し、年間20%を超えることがあっても、償却期間が5年以上であれば認めされる。

(2)対象となる機械、設備

1)商品の製造、役務提供に使用する機械設備であってはならない。分析用、技術高度化促進用の機械等でなければならない。
含まれ、自己のために使用するもののほか、他人のR&Dに使用するものも含まれる。

2)新品で、2年以上の使用するものでなければならない。

3)取得価格は10万バーツ以上のものでなければならない。

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