ニュース 35号 (200508)

SME MULTI CONSULTANT ニュース35号(200508)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策非常事態宣言(+夜間外出禁止令)を200531まで延長(200502~200506更新分):

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第1号」については SME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。また、200531まで非常事態宣言(+夜間外出禁止令)が延長された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第5号」については SME MULTI CONSULTANTニュース33号をご参照下さい。

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応しています。CCSAでは、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例:    200506タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)

https://www.youtube.com/watch?v=9acmhhaBufM&list=UUw7opVQfEQUO7JzJG2HUoQw&index=7

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです(200501までの分は SME MULTI CONSULTANTニュース34号をご参照下さい)。

200502 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,966人(うち新規感染6人)、回復2,732人、治療中180人、死亡54人。全世界累積感染者数が340万人を突破、死者数は24万人に迫る。米国、インド、パキスタンなどで新規感染拡大深刻。シンガポールは減少に転じた。マレーシアでは死者百人超え、14日ごとのロックダウン見直しで200504から都市封鎖の一部緩和を決定。日本の北海道から感染拡大の第二波のニュース、学校再開等の規制緩和が原因か。米国ニューヨークでは深夜1時~5時は地下鉄運休に、消毒等。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔離観察)は本日、カザフスタンから55人、オランダから50人、アラブ首長国連邦から129人。明日、スペインから45人、シンガポールから175人、ロシアから70人だ。200404~200501の合計で3,584人が24ヶ国地域から空路帰国。一方、陸路では本日、マレーシアから454人、ミャンマーから11人、ラオスから39人、カンボジアから42人が帰国。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出、感染危険行為ともに減少。

200502 ナルモン内閣府報道官:200503~200331のCOVID-19非常事態・夜間外出禁止期間延長の施行規則では防疫・感染防止を最優先し、経済社会はその次となる。これはCCSAによる全国最低基準であり、各都県知事はそれより重い措置を講ずることはあっても軽くすることはない。CCSAは施行規則の遵守につき中央から地域レベルまでの監視と評価を行う。活動規制の緩和は経済生活必需活動、医療健康促進活動で徐々に進めていく。経済活動規制緩和措置の円滑推進のため13人の専門家からなる諮問委員会を任命した。国民向け経済的支援給付監視委員会も引き続き作業する。

200502 ソムサック国家安全保障会議事務局長:経済生活必需活動と医療健康促進活動の規制緩和措置概要説明。詳細はhttp://www.thaibiz.jp/?page_id=3348「COVID-19対策本部(CCSA)通達第2/2563号:仏暦2548年非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく施行規則運用指針(200501官報公示・200503施行)」。すべてにおいて感染防止が目的である。医療施設が緩和されたが美容整形は不要不急かつ長時間の施術であり、今回は見送る。酒類販売は許可事業者なら販売可能だが、都県知事は閉鎖命令権限を留保する。店舗内での飲酒は禁止、自宅に持ち帰って家族で。感染防止の観点から節度をわきまえること。5月の連休も公務員は勤務すること。

200502 チャッチャイ内務事務次官:人の移動について、全国各地の町長・村長レベルまでの調査を行った。感染防止のため基本的に都県単位で移動制限する。県境を越える移動する方は県境検問で妥当な理由を示すこと。隔離観察終了者が越境する際は証明書を提示すること。感染危険区の指定都県からの越境については受入れ県側の規定により隔離観察措置の可能性あり。複数の県境を越える移動の場合、各県ごとに隔離観察というのは間違いで、最終目的地の規定に従うこと。隔離観察とはならなくても、最終目的地の滞在期間の行動記録を行い、帰路の県境越えの際の証拠書類として提示すること。また、その記録は保存しておくこと。22:00~04:00は夜間外出禁止である。県境越えの際のご不便については、検問担当者も皆さんの健康と感染防止のために職務を行っているので何卒ご理解とご協力を。

200503 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,969人(うち新規感染3人)、回復2,739人、治療中179人、死亡54人。タイの非常事態は継続中なので引き続きマスク着用、手洗い消毒、社会的間隔保持、マイスプーン、在宅勤務などCCSA基準遵守のこと。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔離観察)は本日、スペインから45人、シンガポールから176人、ロシアから70人。明日、モルジブから125人、香港から165人だ。200404~200502の合計で3,981人が23ヶ国地域(訳者注:前日は24と発表)から空路帰国。一方、陸路では本日、マレーシアから541人、ミャンマーから15人、ラオスから10人、カンボジアから24人が帰国。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出増加、感染危険行為減少(賭博36%、飲み会30%、麻薬覚醒剤20%)。

200503 ポーンピパット国軍最高司令官:本日から活動規制の緩和がスタートしたが多少の混乱が生じた。連休の関係もあり人の移動が増えてしまったが、県境越え移動の制限は緩和していないのでよろしく。各種事業所や活動の緩和条件は①触れるところの拭き掃除、②マスク着用、③手洗いアルコール消毒、④社会的間隔保持、⑤密集防止の5項目が基本。業種・活動項目別に百ページのガイドラインができている。CCSAが基準を策定し、都県知事が追加措置を行い、軍警察が巡回警備する役割分担だ。スーパーマーケットを例にとると、7千平米として一人当たり面積10平米基準なので700人が入店できる。その際、従業員が300人いれば客は400人。この人数制限を出入口で正確に行う必要がある。当局の職務は立入検査して、実行できていなければ改善勧告を行い、それでも改善しない場合、閉鎖命令となる。目的は感染防止だ。この巡回警備職員のマンパワーにも制約があるので、消費者は店舗が上記5つの緩和条件を守っているか監視して、不都合があれば当局に通報できる。非常事態延長期間200503~200331は28日間、隔離観察期間の2倍だ。この間に休日もあるが、旅行はできない。活動規制が緩和された活動のみ、その範囲内で行うこと。あとは自宅で静かに過ごしていただきたい。

200503 チャイワット運輸事務次官:基本的には自宅プラス活動規制緩和の範囲内で生活していただくが、必要不可欠な場合のみ交通機関を使って移動。その際、航空機、鉄道、バス、船ともに運輸省基準の遵守を義務付け。検温の結果、体温が高ければ搭乗・乗車・乗船できない。交通機関利用時の社会的間隔保持も、それぞれの交通機関ごとに座席・立ち位置を設定して人数制限を行う。人数を超えるチケット等は販売しない。マスク着用義務。各交通機関ではアルコールジェル等を常備して乗客にご利用いただく。空港・駅・ターミナル等の施設と乗物ともに毎回消毒している。

200504 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,987人(うち新規感染18人)、回復2,740人、治療中193人、死亡54人。新規感染者は18人全員がソンクラー国境検疫施設の外国人、医師が対応している。また、南部で別のグループ40人が一ヶ所目の検査で全員陽性、二ヶ所目の検査で全員陰性という事件が発生、バンコクの厚生省医療局の検査センターで再検査することとなった。全世界累積感染者数が350万人を突破、死者数は25万人に迫る。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔離観察)は本日、モルジブから131人、香港から162人。明日、フランスから16人、インドから220人だ。200404~200503の合計で4,109人が25ヶ国地域から空路帰国。一方、陸路では本日、マレーシアから387人、ミャンマーから1人、ラオスから54人、カンボジアから23人が帰国。200418~200503の合計で7,284人が陸路帰国。昨夜の夜間外出禁止令では違法外出、感染危険行為ともに増加。

200504 トッサポン社会保険庁長官:現在、社会保険加入者のうち「(200417発効の)不可抗力たる新型コロナウィルス(COVID-19)に起因する失業補償給付」への申込者は200324~200502の期間に1,177,841人に達したが、重複申請・対象外の219,537人を差し引いた適法な権利者は958,304人となっている。うち455,717人に対し、23億5400万バーツを給付済み、207,895人につき審査中、294,692人につき雇用主に照会中である。ホットライン1506は250回線に増強しているが、通常業務の11倍の状態であり、お待ちいただく時間が長くなっている。

200505 プラユット首相(CCSA代表):仏誕節の今日は、国家樹木の日。ラーマ9世とラーマ10世国王陛下の教えに基づき政府は森林復旧に努めている。森林破壊者を捕らえ、植林を進めていく。全国で一千万本の植樹目標、ご家庭でもぜひ2本3本と木を植えていけばきっと一族の宝になるだろう。

200505  タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,988人(うち新規感染1人)、回復2,747人、治療中187人、死亡54人。4月のタイ厚生省と国家統計庁の共同アンケート調査(回答者99,865人)結果で、①マスク着用91.2%、②手洗い消毒87.2%、③熱い食事・マイスプーン86.1%、④社会的間隔を1~2メートルとる65.3%、これは少なすぎだ。⑤顔・鼻・口に触れない62.9%であった。各項目とも遵守率が上がっている。しかしながら、当初から何度もお願いしているとおり国民の90%以上が守らなければ感染拡大阻止できないので、もっともっとご協力をお願いする。全世界では累積感染者数が360万人を突破、死者数は25万人を突破。累積感染者数でタイは多い方から61位と下がった(改善した)。帰国タイ人の空路受入れ(14日間隔離観察)は本日、フランスから16人、インドから220人。明日、ミャンマーから65人、ドイツから110人、パキスタンから122人だ。200404~200504の合計で4,401人が26ヶ国地域から空路帰国。200506~200531の帰国受入れ計画は7,000人、向こう5日間でパキスタン、ミャンマー、ドイツ、南アフリカ、韓国、アラブ首長国連邦、エジプト、日本、オランダ、ベトナム、台湾、米国からの帰国受入れ態勢。一方、陸路では本日、マレーシアから348人、ミャンマーから26人、ラオスから10人、カンボジアから17人が帰国。200418~200504の合計で7,685人が陸路帰国。国境と各県の検疫施設の200403~200504稼働実績は、隔離観察12,385人、帰宅済み3,302人、陽性確定84人。規制緩和対象事業者の巡回監視結果分かった条件違反率は、飲食店3,156店舗の6.7%、市場・小売店2,680店舗の1.5%、美容院・理髪店1,943店舗の3.1%、ゴルフ場77ヶ所の0%、競技場254ヶ所の4.7%、公園352ヶ所の1.7%、ペットショップの2.0%が条件違反していた。明日は仏誕節、満月の晩に蝋燭をともして寺院の本堂を周るウィエンティエン儀式は仏教の重要行事であるが、密集回避のため自宅で行うこと。

200506 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,989人(うち新規感染1人)、回復2,761人、治療中173人、死亡55人。新規感染者はロシアから帰国したタイ人、隔離観察で感染確定。インドで活動規制緩和の一環で酒類販売再開したところ問題頻発によりインド政府は酒税を70%引き上げた。

マレーシア国内残留タイ人29,491人に対し、タイ大使館などから支援提供しており、無理な帰国はしない。国境と各県の検疫施設の200403~200505稼働実績は、隔離観察12,847人、帰宅済み3,921人、陽性確定85人。規制緩和対象事業者(店舗等)の条件違反率は200503からの3日間で4.88%、3.74%、3.45%と減少しており喜ばしい。違反者を法律で取り締まるのは当然だが、全員が社会人として推奨され
ること、それはお互いに注意しあうことだ。例えば市場で売り子がマスクをしていないのを見たら、マスクをつけるよう忠告するだけだ。忠告しないとどうなるか?あなたが買う惣菜や野菜果物の中にウィルスが入ってしまうかもしれないということだ。公園ではマスク着用で歩くのが良し。走るのはどうか?マスクなしで走った場合の激しい呼吸により後方10メートルに呼気が拡散する。前後10メートルの間隔を確保できない限り走るべきではない。またマスク着用で走るのは酸欠のリスクありお勧めしない。

200506 アナン農業・農協事務次官:国民向け経済的支援給付監視委員会の助言による200428付け閣議決定により国債資金の農業関係者向け給付措置の作業に入った。農業省では7つの分野(農作物栽培、水産業、畜産、養蚕、ゴム、サトウキビ、タバコ)の農業従事者名簿データ830万人分を取りまとめた、財務省が他の省庁による給付との重複がないよう調整する。農業・農協銀行を介して農業従事者一人あたり5千バーツを3ヶ月給付する計画である。

200506 ポンメーティー社会開発・人類安全保障省事務次官:孤児、身体障碍者、浮浪者、独居老人等向けのCOVID-19対策を促進。福祉住宅の家賃等割引、児童育成基金の活用、粉ミルク・食事や生活必需品の支援、感染防止策の補助、ホットライン1300では一日2万件の相談を受けている。バンコクの生活困窮286地区の生活指導ではバンコク都庁と連係。COVID-19感染防止のため、バンコク都内の浮浪者200人を福祉施設に案内した。従わない人にはアルコールジェルなどを提供している。

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*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

*お知らせ:
当事務所では在タイ日系企業向けに、社会保険(失業またはCOVID-19による一時帰休)補償給付申請の相談/支援業務を日本語とタイ語で行っております。 plus d’information

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)

御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)