ニュース 25号(200406)

SME MULTI CONSULTANT ニュース 25号(200406)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策で非常事態宣言(200402更新分)、200403から夜間外出禁止:

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第1号」についてはSME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応していくこととなりました。

タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)では、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報発信を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200402タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)プラユット首相による夜間外出禁止令発令(内閣府広報局ユーチューブ) https://www.youtube.com/watch?v=00QeDf_lwBU

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです。200401までの分はSME MULTI CONSULTANTニュース24号をご参照下さい。

200402 タウィーシンCCSA報道官(医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染1,875人、回復505人、治療中1,355人、死亡15人。パキスタン出稼ぎ帰りの男性が長距離列車内で死亡し、ナラティワート県スガイコロク駅で発見されるなど新たに3件の死亡。外国人感染者は大多数が欧州人。帰国タイ人の感染元は欧米・アジア。200402から200415まで、外国人とタイ人の感染拡大国からの入国時隔離観察を実施することとなった。全国77都県の国民146千人に対する感染防止策実践アンケート(200324, 25)の結果は、94%が外出時マスク着用、90%が石鹸で手洗い、85%がアルコール手指消毒、64%がSocial Distancing(社会的間隔2m保持)、46%が携帯電話のアルコール消毒、0.5%が無策。社会的間隔保持が64%は少なすぎる、徹底実践を。90%が協力しないと効果が出ない。内務省によるマスク配給作戦は一日100万枚ペースで全国の医療機関等に届けている。健康者用の布製マスク製造では目標45百万枚のうち、43百万枚を発送済み。あと一週間で目標達成。先週末(200328)の交通量の削減率は40%台だったが、今週の平日は20~30%減に過ぎない。これでは感染拡大を抑止できない。事業者は仕事の仕方を改善すべきだ。移動を減らし、人との距離を確保が急務。厚生省伝染病対策官に同行している軍・警察官は、伝染病対策妨害者を法律に基づき取り締まることで、伝染病対策官を支援している。海外では、棒で殴打するなど強硬な取り締まりも目にするが、タイからそんな恥ずかしいニュースが出ないよう国民の協力を求める。COVID-19対応マスク(N95)のタイ国内需要一日6万枚、調達は世界規模の需要急増で苦戦している。米国3Mからの納品なくも、中国から確保できている。治療薬は5万錠の在庫あり、さらに日本から4万錠が届いたところ。米国が中国に医療器具供給を要請しているようにモノ不足は世界規模だ。タイ厚生省ではN95マスクの再利用技法を検証中(一枚を3回リサイクル)。非常事態宣言の施行策については要請ベースから強制ベースに移行していくだろう。本日(200402)の首相声明で明らかになるだろう。

200402 プラユット首相(CCSA代表)が夜間外出禁止令を発令:非常事態宣言の施行規則第1号では、「社会的間隔保持」「在宅」「医学的知識」などの国民向け広報、見えない敵に立ち向かう医療従事者の「医療器具等調達」「医薬品の備蓄と追加調達」「臨時病院確保」、「国家保険基金」「社会保険基金」「公務員保険基金」の三基金による医療費用補償、「自由に優先する健康」を守る公安措置である「移動制限」「感染拡大地域内の集会等制限(南部国境隣接県・プーケットなど地域的・段階的に店舗等の閉鎖)」を行ってきた。普段はサバーイでも今は違う。皆が生き残るために自己改革してもらわねばならぬ。そのため、200403から毎日、22時~4時の夜間外出禁止令を施行する。例外は、医療活動、銀行業務、物流(生活必需品・医療物資・燃料)、交代勤務の通勤・帰宅、空港への交通等。国民は平静を保つこと。買い物は昼間できるが社会的間隔保持を徹底すること。マスク等医療物資配給の不正、生活必需品の買占めや便乗値上げは、生産から流通まで取り締まりを進めてきた。買占めは禁固7年/罰金14万バーツ(または併科)、告発ホットライン1135。国民の経済的支援給付は、失業保険枠外の9百万人向け5,000バーツ×3ヶ月の給付。電気水道代の3ヶ月減免。住宅・自動車・クレジットカードローンの猶予・減免、社会保険の本人負担分を1%に減免し3ヶ月の納付猶予。事業者向けには不良債権ではない債務管理面で租税・金融面での減免を行う。対外関係では、国外からの感染者入国を阻止する。例外は、外交官・就労許可取得者・乗組員等の特別許可ある外国人とタイ人だが、入国時に所定の隔離観察に従ってもらうこととなる。まずは入国を延期し、本日(200402)から200415まで、渡航前の自己観察するよう要請する。引き続きCCSAから直接、正確な情報を毎日国民にお伝えしていく。SNS等の偽ニュースを信じてはならない。公安を乱す嘘ニュース拡散や情報操作は、故意過失を問わず、非常事態宣言法により厳罰に処す。出所不明または内容が正確かどうかわからない情報は拡散しないこと。国民が助け合う建設的な情報を拡散してもらいたい。医療関係者、通信関係者、各方面の国民、軍警察にお願いする、国民全員一緒に平安を求めて頑張ろう、タイは勝つ。
引き続き、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第2号(200403施行)」の朗読。

「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第2号(200403施行)」のポイント:

第1項 タイ全国で22時~4時の夜間外出禁止。例外は、医療活動、銀行業務、物流(消費財・農作物・医療物資・新聞・燃料・貨物・輸出入商品)、伝染病法に基づく人の隔離観察のための移動・交代勤務の通勤・帰宅、空港へ/空港からの交通。その際、施行規則第1号を遵守。

第2項 上記第1項の主旨の下、より厳しい条件の都県告示・通達が発令された場合、その条件に従う。

第3項 タイから出国しようとする者の事前隔離観察は都県伝染病委員会の義務。

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*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)


御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)