ニュース 24号 (200403)

SME MULTI CONSULTANT ニュース 24号(200403)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策で非常事態宣言(200330200401更新分)

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令第9条に基づく)施行規則第1号」についてはSME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応していくこととなりました。

タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)では、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報発信を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200402タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)報告・記者会見(内閣府広報局ユーチューブ) https://www.youtube.com/watch?v=pSLAp_EHdMw

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです。200329までの分はSME MULTI CONSULTANTニュース23号をご参照下さい。

200330 タウィーシンCCSA報道官(医師):CCSAの最重要使命は「各種メディア・アプリを駆使して国民に情報伝達すること」。国民はSocial Distancing(感染拡大を防ぐために物理的な距離をとる)の徹底実践を。プーケット、ヤラー、パッタニー、ナラティワートで規制強化、プーケットだけでも2,532ヶ所を閉鎖。ビーチなどで20時~3時の夜間外出禁止令。交通量は200328(土)現在、(先週土曜比)路線バス48%減で45万台、自家用車41%減で120万台、もっと減らす努力を。電車は58%減で14万人、長距離鉄道64%減、水上バス40%減、これらを90%減にしないと効果が出ない。

スクム厚生事務次官: 土日のSocial Distancing調査で「人込みを避ける」+「2メートル間隔」合計で95%が実践。全国の医療機関に手術用マスクを200328までで1959万枚配送済み(200330に130万枚を追加郵便配送)。また、COVID-19対応マスク(N95)を200328までで18万枚配送済み。N95と防護服は医療スタッフ一人一日あたり5セット使用。4月のN95調達策計画は、米国3M製20万枚、タイ製10万枚(月産)、中国製40万枚(政府間交渉)。中国から手術用マスク10万枚、検査キット2万個、N95を1万枚、PPEを2千セット無償供与された。さらにアリババ社からマスク・防具合計47万点の寄贈を受けた。治療薬ファビピラビル(アビガン)の4月の需要10万錠に対し、在庫3万錠。さらに日本から24万錠、中国から10万錠の調達手配済み。

ブンヤリット商務事務次官:マスクの流通につき、新型コロナウィルス(COVID-19)の流行前にタイ国内メーカー11社と協議し、日産能力120万枚(月産3600万枚)を確認していた。この点、「2億枚の在庫はどうなった?」と誤報されている。正しくは、「マスクの材料は輸入品だが、協議時点の材料在庫だけでも2億枚分が賄える」。一方、マスクの需要は月間3000万枚(医療機関中心)だった。なお、2018年、タイはマスク7000万枚の年間輸出実績。しかしCOVID-19の流行で一般国民が一斉にマスクの需要家に。商務省は50%分を医療機関用に確保したが不足、さらに民間流通分の50%で便乗値上げ。結局タイ国民(6700万人)の28人に一枚しかない事態に陥った今、商務省は100%国産マスクの管理流通に切り替えた。本日(200330)17時から内務省(郵政)による全国向け配給制度がスタート。

ウィサヌ副首相:先週土日(200328~29)の交通量など見れば自明だが、国民が自宅待機を徹底できていない現状、もっともっと国民が自制しないと規制強化していくしかなくなるだろう。直近では各種メディアにムエタイ中継自粛要請したが、無観客試合を中継した。試合中の選手やテレビの前の観衆(飲酒して声援も)のリスクを考えていない。無観客試合中継の自粛を要請する。鉄道など交通機関でのウィルスまき散らし行為、仏僧の托鉢に素手でもち米を入れる信者、テレビドラマのロケで群れる人々などなど。本気で考え、自制してもらいたい。現状、マスクの日産能力は230万枚に増強された。流通は完全管理で国内優先だ。BOI事業のマスクメーカーには投資奨励法47条発動で輸出阻止する。200320からマスク輸入税率0%を適用開始。数日先には必要な医薬品・医療器具も輸入税免税とする準備中。主要輸入先は中国。問題になった鶏卵は既に輸出禁止済み。国内鶏卵生産高4100万個に対する消費高は3900万個なので余る計算。流通業者の買占めと便乗値上げも規制中。医療器具類の輸入時のFDA・医療科学局検査は1ヶ月から5日に短縮する。各種の行事は延期し、必要な会議はテレビ会議(Web会議)導入を進めてもらいたい。政党法第43条で4月中に政党の総会を実施しないと罰則規定の由、選挙管理委員会は検討を急げ、内閣は「延期せよ」と答えるに決まっている。

200331 タウィーシンCCSA報道官(医師):新型コロナウィルス(COVID-19)対策予算から医療従事者の福利厚生費を配分。医療器具類の輸入時のFDA・医療科学局検査期間短縮はスタート済み。明日(200401)のエイプリルフールではCOVID-19関連のウソや偽ニュースを拡散しないようにとのキャンペーンがSNSで自然発生的に広がっている(違反者は禁固5年/罰金10万バーツまたは併科)。現時点での外出規制は限定的なものだが、数字が悪くなれば規制は強化される。一例を挙げる。ムエタイ観戦(して感染)を隠して歯科治療を受けた者がいた。治療した歯科医師の行動追跡の結果、医療関係者数十人(一般人含めて百人以上)が自宅観察を余儀なくされた、大被害である。

200401 タウィーシンCCSA報道官(医師):精神衛生局のアンケート調査によると3月中旬と下旬の比で、①COVID-19の情報収集5時間以上する者が6%から20%に増加、②COVID-19対策に大いに自信がある者が20%から39%に増加。PCR検査体制は、感染不安者が殺到するとパンクしてしまうのが実情だ。家内感染防止策は、熱い食事と飲み物・取り匙・消毒の徹底と間合いを保つこと。自宅待機の協力者が国民全体の90%に到達させなければならない。

ピヤ警察庁報道官:非常事態宣言から一週間、自宅待機・マスク着用・人との距離を置くなどの対策につき、国民の遵守度は低いと言わざるを得ない。必要なく出歩いている人が多すぎる。警察は伝染病法などに基づき要請・指導・警告を行っているが、従わないものは逮捕・起訴する。裁判所により禁固刑や罰金刑が課されることとなる。

チューキエト外務省広報局長:AFS交換留学生の多くは帰国済みだが、未帰国者は在米タイ人留学生が多く4月中に帰国を完了させる。

200402 タウィーシンCCSA報道官(医師):タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染1,875人、回復505人、治療中1,355人、死亡15人。以下、次号に掲載。

最新情報: 昨日(200402)付けでプラユット首相が署名した「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令第9条に基づく)施行規則第2号」により、本日(200403)から(期限を決めずに)タイ全国で夜間外出禁止令(22時~翌朝4時)が施行されます(例外など詳細は次号に掲載)。

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*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)


御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)