ニュース 29号 (200418)

SME MULTI CONSULTANT ニュース 29号 (200418)

タイの法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回のペースで送信いたします。(西暦 = 仏暦 − 543)

1.タイ政府がコロナ対策で非常事態宣言、200403から夜間外出禁止(200414~16更新分):

200325付けでプラユット首相が宣言し、同日付け官報で公示され、200326から200430の期間施行されている「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第5条に基づく)タイ全国を対象とする非常事態宣言」と、「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく)施行規則第1号」については SME MULTI CONSULTANTニュース22号をご参照下さい。

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)は、200325付け官報で公示された「(仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令に基づく)特別執行機関設立にかかる総理大臣通達 第2563/5号」により、そのまま新型コロナウィルス(COVID-19)の非常事態に対応していくこととなりました。

CCSAでは、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日2~3回更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200416タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)          
https://www.youtube.com/watch?v=2o8DXxLNcZA

日々の政策説明・進捗報告のポイントは下記のとおりです(200413までの分は SME MULTI CONSULTANTニュース28号をご参照下さい)。

200414 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):官民合計で既に5千万枚の布製マスクがタイ全国に配布された。本日、アセアン首脳COVID-19対策テレビ会議(Web会議)が実施された。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,613人(うち新規感染34)、回復1,405人、治療中1,197人、死亡41人。ほとんどが国内二次感染。海外からの帰国タイ人に対するホテル隔離観察のメリットは、「たとえ発病しても直ぐ治療を受けられるので重症化しにくい」。南部タイの感染者はイスラム教巡礼帰国者から三次感染者まで拡大。世界の感染者数でタイは(多い方から)50位(日本24位、シンガポール48位)。COVID-19対応のタイ医療機関は国公立67.7%、私立42.3%。病院のベッド数、酸素吸入器とも現状下では余裕あり。昨夜の夜間外出禁止令では、違法外出が806件(減少)、感染危険行為(賭博、飲酒、ドラッグ)が155件(増加)。若者が逸脱しないよう大人は監督を。本日韓国から帰国の135人を歓迎。帰国タイ人の受け入れ態勢は一日200人が限界だ(14日隔離観察=移動、警備、保健医療、ホテル、食事、連絡調整)。医療機関のCOVID-19在庫管理が手作業からオンラインシステムに進化した。

200415 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):3月下旬、専門家により「このままでは35万人規模で爆発的感染拡大するだろう」と予測されていたタイだった。それが今、回復者が治療中を上回る快挙に。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,643人(うち新規感染30)、回復1,497人、治療中1,103人、死亡43人。新規感染の大部分は二次感染だが、帰国者や国内の経路不明感染もある。まだまだ油断できない。3月は外出中感染、4月は(夜間外出禁止や外出自粛による)家庭内感染の割合が高い。世界では200万人が感染。12.5万人が死亡。ここで日本の感染者増が目立つ、東京都が外出自粛、他県にも波及の動き。タイの夜間外出禁止令、違法外出や感染危険行為は横ばい。帰国タイ人の受入れは本日から3日間で韓国92人、アラブ首長国連邦120人、モルジブ70人、バングラデシュ35人だ。厚生省・郵政によるマスク配給は200407から一週間で1,700万枚を全国の医療機関に送達済み。残り3百万枚も配送中。民間からCCSAへの寄付、ザモールグループから2千万バーツ、タイ銀行協会から5千万バーツなどに感謝。さらに、お金でなくても小さな行為の積み重ねで危機を乗り越えられる。記者質問「海外帰国タイ人が14日間立派なホテル住まいで豪華な3度の食事付きなのに、タイ国内の貧困層は飯も食えない状況、政府はどう対応するのか」。報道官「一般国民への対応は別途行っているが、種々の障害発生中で難航しているのは辛い。一方、帰国タイ人は帰国する権利があるので厚生省基準に則り着実対応している。もし隔離観察せず放置した結果、多くの国民が二次感染したら、3度の食事などでは取り返しのつかないことになる。世界の貧困国では我々タイよりもずっと厳しい食糧事情、非衛生環境だし、先進国ですらパンデミックで遺体放置続出という惨状、可哀そうで見てられない。今、タイで続々発生中の素晴らしい社会現象、助け合いの精神を拡散しよう。世界の中でも恵まれているタイ、ちょっとずつの我慢で危機を乗り越えていこう。外出禁止や自粛でストレスがたまる生活で精神的にも皆さん苦しい状況だ、理解する」

200415 プラユット首相(CCSA代表):新規感染者の人数減少が認められる。COVID-19から国民生活を守る施策で障害発生、国民の苦労に深く思いを致す。私自身が誰よりも急いでいる。どうかご理解を、4月下旬までに仕切り直す。COVID-19感染状況は、首都圏と南部が深刻だ。各種の事業活動ではアルコールや検温、人数管理をお願いする。ここ数日落ち着いているとはいえ、他国の実態のとおり、油断すれば直ぐにCOVID-19の攻撃を受ける。海外滞留タイ人の帰国便確保と隔離観察につき、外務省・厚生省で調整中。COVID-19危機の国民生活維持のため、電気水道代や保証金返還、発病者の無償医療措置、ローンの元利支払い猶予では商業銀行間の格差発生、国民のお金を預かる商業銀行は救済策を考えて出してほしい。さらに金融機関安定のための特別機関設置、補正予算に取り組んでいる。一方、(高騰中の金=gold現金化の動きが急増し)金行の資金流動性がひっ迫していると業界から悲鳴が聞こえるので、お急ぎでない方はゆっくり売ってもらいたい。社会保険の特別給付措置も進めている。(社会保険制度外の国民向け)5千バーツ給付プロジェクトは複雑な手順なので理解を求める。それは、タイ国民6800万人のうち3700万人を占める労働者(制度外自由業者9百万、社会保険加入者1100万、農民1700万)プラス勤労学生の救済措置だ。本日設置した国民生活救済監理委員会で課題をまとめていく。並行して予算措置も進める。通常予算の10%をCOVID-19対策に振替える補正予算は立法手続に時間がかかる。1兆バーツの国債発行勅令案と9千億バーツの中央銀行の金融政策勅令案は、勅令案策定中であり4月中に案をまとめる。決して、現時点で現金が1兆バーツあるのではない。国債発行は将来の政府の債務返済まで計画しなければならない。ついては、制度外自由業者9百万人に対し一人5,000バーツを3ヶ月給付するプロジェクトでは、まず5,000バーツを支給して、次のステップに向かう。ご理解いただきたい。始めに1兆バーツありき、と情報操作して拡散されると誤解の下になるので。当初、制度外自由業者の生活困窮者を3百万人と推定していたが、COVID-19危機の長期化で9百万人に拡大している。まず、一ヶ月分を給付してから追加予算措置するので、辛いのは痛いほどわかるがどうか待ってほしい。なお、給付プロジェクトを悪用して、ピンハネ業者や偽診断書業者が横行している。多数逮捕しているが、本当に情けない人たちだ。こんな災害時に困窮者からピンハネしてあなたは幸せか。社会保険加入者1100万人向け給付予算は2300億バーツを確保済み。手順に時間がかかるが、私は必ず対象者全員に給付する。至らない点あれば申し訳ないがどうか分け合って、助け合ってほしい。農民1700万への特別給付もまず一ヶ月分を進めている。中央銀行のソフトローンや返済猶予では、事業者の自助努力を支援していく。このように貴重なお金を国民が分け合って危機を乗り越えていく。給付金で賭博や飲み会など言語道断。夫妻子をいたわって家庭で落ち着いて暮らしていこう。この期に及んで悪人が横行しているが、森林火災の放火魔は厳罰で臨む。最後に、給付に時間差ができてしまい、待っている方々にお詫び申し上げる。

200416 タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):布マスクを入手しやすくなった。マスク着用、特に年配者と会うとき、社会的間隔も。本日は、夜間外出禁止14日目だ。タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は感染者2,672人(うち新規感染29)、回復1,593人、治療中1,033人、死亡46人。タイ全国77都県のうち、この14日間の新規感染者ゼロが25県、さらに今まで新規感染者皆無も9県。夜間外出禁止令、違法外出や感染危険行為は横ばい。帰国タイ人の受入れ(14日間隔離観察)は本日から4日間でアラブ首長国連邦119人、モルジブ55人、バングラデシュ35人だ、米国412人。マスク全国配給は、厚生省分2149万枚のうち1839万枚送達済み、内務省分1247万枚のうち1163万枚送達済み。AI分析によるCOVID-19初期診断システムを中国から導入した。中国のCTスキャン検査データ数万人分のビッグデータ活用により迅速安全に初期診断できるようになる。記者質問「非常事態宣言の期限は200430だが、その後はどうなる」。報道官「続くだろう。タイでようやく新規感染者が減り始めたとはいえ、世界の事態は悪化の一途、日本は先週緊急事態宣言したばかりだ。健康と経済社会が両立できる仕組みも検討すべきだ。90%の国民が参加して初めてウィルスに勝てる」

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*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応はテレビ会議(Web会議)・eメール・電話に「全てを切り替え済み」です(対面式の会議は当面の間、自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることなり、誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)


御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)