ニュース45号(200716)

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SME MULTI CONSULTANT ニュース45号(200716)タイ法令の新しい話題を簡潔にまとめ、月一回送信します。バックナンバー http://www.thaibiz.jp/?page_id=2551

タイ政府がVIP外国人向け入国規制強化へ、コロナ対策非常事態宣言を200731まで継続、規制緩和第5期施行中

200312付け「内閣府通達第76/2563号」により設立された「ศูนย์บริหารสถานการณ์การแพร่ระบาดของโรคติดเชื้อไวรัสโคโรนา 2019 (โควิด – 19): Center for COVID-19 Situation Administration、タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)では、200325から内閣府広報局テレビ(NBC)、マスコミ公社テレビ(MCOT)やラジオの生放送だけでなく、直管のフェイスブックやユーチューブ等のビデオオンデマンドも活用して1回1時間程度の直接情報公開を行い、毎日更新しています。タイ語ですが一部は英語でも広報されています。

例: 200714 タイ政府COVID-19対策本部(CCSA)政策説明・進捗報告(内閣府広報局ユーチューブ)

200713       タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):

タイ国内の新型コロナウィルス(COVID-19)発生状況は累積感染者3,220人(うち新規感染3人、クウェート・バーレーンから1人ずつの帰国タイ人、エジプト人1人、49日連続でタイ国内感染ゼロ)、回復3,090人、治療中72人、死亡58人。累積感染者内訳は、首都圏1,784人、中部486人、南部744人、北部95人、東北部111人。このエジプト人1人が極めて重大な問題である。200708タイ入国(ラヨーン1泊)、いったん中国(成都)に公務で往復して再入国(ラヨーン1泊)、200711に出国しエジプトに帰国した。これは現行のCOVID-19対策本部(CCSA)通達第5/2563号:仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく施行規則運用指針その6(200630官報公示・200701施行)の⑤交通機関の乗務員、そのものが緩かったことが原因だ。従来、交通機関(航空機)の乗組員についてはスワナプーム空港前の指定ホテルで完全対応できていたが、200701以降の国際旅客便の入国禁止解除によりウタパオ空港とラヨーン県内のホテルが使用され、防疫対策が緩くなってしまった。エジプト人はエジプト軍のパイロット(武官)であり、外交官特権を盾に当初はPCR検査を拒否したため、タイ政府が要請したエジプト大使館員の説得でようやく検査に応じた。検査結果は同人物の出国翌日の200712に陽性と判明。また、ホテル滞在中に複数のショッピングセンターに勝手に外出していた。現在、ラヨーン県疾病対策委員会が当該エジプト人の行動痕跡の公開準備を急いでいる。まもなくCCSAと国民は情報を完全に共有する。次はスーダン外交官家族の少女(9歳)がバンコクで発病した事件である。200707の出発前PCR検査では家族5人とも陰性、200710のMZ3277便でスーダンからの入国時は無症状だったがPCR検査結果は陽性、少女は200710に私立病院に入院したが、家族は(CCSA想定の大使館ではなく)バンコク都内のコンドミニアム(スクムビットソイ26)に宿泊した(COVID-19対策本部(CCSA)通達第5/2563号:仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく施行規則運用指針その6(200630官報公示・200701施行)の③外交官・国際公務員・公用者(配偶者・親・子を含む)。少女は200710に入院した私立病院の精密検査で肺炎と診断され200711専門病院に移送、治療を開始。大多数の国では大使館が十分な対策を講じているが、そうでない国もあることが分かった。これも防疫体制の不備であったと言わざるを得ない。特定の部門や担当者への責任転嫁はしない。協力者全員に感謝する。少女は手厚い治療と看護を受けている。

200714       プラユット首相(CCSA代表): 閣議後の声明発表で

ラヨーンで発生した感染エジプト軍パイロット出国事件は、無規律無責任な人物の勝手な振舞いの結果であり、当局から先方へ抗議と当面の着陸許可取消を通告した。我が国の防疫担当者たちは慎重な対策と誠意ある対応で頑張ってくれたが、責任者は私であり、今回の失敗が非常に残念でならず、国民にお詫び申し上げる。予測不可能な前代未聞の疫病対策であるが、甘かった部分があったのも事実であり、この事件を契機に、国民の安心と安全のため各省庁・関連機関を挙げて対策を見直していく。一方、折しも「国民の経済、社会、安全保障の負担を軽減するための規制緩和措置の第5期」施行中であるが、飲食店・娯楽施設等におけるヒトの密集が顕著である。これは施行規則違反であり、摘発の対象となることをご承知おき願いたい。今もマスク着用、手洗い、各種施設の出入り行動追跡記録アプリ、社会的間隔保持、密集回避は必須事項である。みんなでこんなに苦労してきた結果、タイは世界有数の感染防止成果を上げることができた。また、ワクチンも臨床試験段階に差し掛かっている。本日、観光省に指示したが、外国人旅行者の入国は、今回の事件を見てお分かりのとおり、無規律無責任の不特定多数のヒトの流入により大惨事を引き起こすことが明白であり、受入れ態勢準備を進めはするが、当面は事態の悪化に鑑みて止めておくことにした。航空機の入国について、タイ国内の全ての国際空港が同一レベルの防疫体制を敷くよう念を押した。以下省略(干ばつと治水対策、タイ密入国事件に対し国境5千キロメートルを兵士4万人で守っている実態)。

200714       タウィーシンCCSA報道官(精神科医師):

「ラヨーンで発生した感染エジプト軍パイロット出国事件」と「スーダン外交官家族の少女(9歳)がバンコクで発病した事件」の40分以上にわたる調査結果報告と記者会見。

今回の2事件を教訓とするCCSA決定事項は下記の3点。

(1) 外交官・国際公務員・公用者、その配偶者・親・子に対する特別措置の見直し、14日間の隔離検疫措置適用。

(2) 200717~20と200725~29の期間のエジプト空軍機8便に対する入国許可取消。

(3) COVID-19対策本部(CCSA)通達第5/2563号:仏暦2548年 非常事態下の行政統治にかかる勅令 第9条に基づく施行規則運用指針その6(200630官報公示・200701施行)の②首相または非常事態対策当局責任者による特別許可者、③外交官・国際公務員・公用者(配偶者・親・子を含む)、⑪タイとの二国間特別措置(Special Arrangement)による入国許可取得者でタイ国籍を持たない者の施行見送り・基準見直し。

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*上記記事の補足説明:

新型コロナウィルス(COVID-19)危機の中、タイでは首相と公衆衛生学の専門家が中心となってCCSAコロナ対策本部を設置、人口10万人あたり感染者0.2人の時点から200326非常事態宣言で徹底的な対策を開始しました。200503からは段階的に「国民の経済、社会、安全保障の負担を軽減するための規制緩和措置」を進めてきており、現時点で第5期まで規制緩和が進み、順調なら追加の緩和(トラベルバブルの実施等)に進む計画でした。タイ国内では49日連続で国内感染者ゼロを達成し、この成功には国民も満足していますが、実はタイ政府も二次三次感染拡大に対抗していくだけの予算の余裕がありません。そこでタイ政府は、外国人の入国につき苦肉の策で「経済復興に役立つ人材を優先的に入国させる」ため、第5期緩和でVIP外国人優遇枠を設定した矢先、今回の上記2事件で裏目に出てしまい、一昨日の閣議で上記のとおりVIP枠廃止が決定されたのです。ラヨーン県では多くの学校が休校、ホテル予約のキャンセルなど被害が拡がっています。また感染拡大が心配されています。

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*当事務所の対策状況:

コロナウィルス(COVID-19)対策のため小社では当面の期間、下記のとおり万全対策を行っております。お客様各位のご協力を賜り、まことにありがとうございます。

お客様対応は「テレビ会議(Web会議)・eメール・電話・ビジネス宅配便のみ」とさせていただいております(対面式の会議は非常事態宣言解除までの期間、原則として自粛させていただきます)。

しばらくご不便をおかけすることとなり誠に恐縮に存じますが、一致協力してこの難関を突破して参りましょう。

以上です(上記は作成した時点でのご参考情報です。実際の運用の際は再度ご確認のほどお願いいたします。なお、西暦 = 仏暦 – 543です)

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御社のご盛業を!日タイ経済産業連携と両国の永続的な友好関係を祈念して!

SME MULTI CONSULTANT CO., LTD.

川島和士 (KAZUSHI KAWASHIMA)